「週刊アスキー」は最新号から、完全電子化されました。
●週刊アスキー - 週アスのITニュースサイト
http://weekly.ascii.jp/
今までも電子版はありましたが、書店に並ぶ紙媒体がメイン。
それが、ついに書店では販売せず、電子書籍オンリーとなりました。
新潟は、少年ジャンプやスピリッツ等は東京よりも早く買うことができます。
しかし、ほとんどの雑誌は1日遅れなのです。
●何故か「週刊少年ジャンプ」は東京都より新潟県の方が、一日早く発売される(日曜朝)
http://kanzaki.sub.jp/archives/002121.html
電子書籍は、そういった地域にとって、ありがたい存在なのです。
また、パソコンやデジタルガジェットを扱う内容ですから、アナログよりデジタルのほうが親和性は高いですしね。
紙媒体特有の白黒ページは、マンガぐらいでしょうか。
もともと白黒だったコーナーも、少しは色がつくようになりました。
デジタルですから、カラーと白黒でページ単価が違うわけでもないし、これはありがたいです。
※
【伊藤ガビンさん登場】
電子化創刊号で一番注目したのは、編集者・ゲームデザイナーの「伊藤ガビン」さんのインタビューです。
●伊藤ガビン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E3%82%AC%E3%83%93%E3%83%B3
成城大学経済学部経済学科卒。
株式会社アスキーのパソコンホビー誌「ログイン」の編集者を経て、ボストーク株式会社設立。
女子美術大学短期大学部造形学科教授、京都精華大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科客員教授。2007年に株式会社BCCKSの設立に参加。
ゲーム「パラッパラッパー」のシナリオなどでも有名。
●「感性みたいのはあまり関係ない。たくさん作業できる人が才能のある人」伊藤ガビン・インタビュー|TOCANA
http://tocana.jp/2014/10/post_4978_entry.html
この人が、伸びるかどうか。でも、それは「感性」みたいなものとは無関係なんですよね。才能ってほぼ「どれだけ作業し続けられるか」なんですよね。それも、作業するのを頑張るんじゃなくて「作業が止まらないタイプの人」。
私の世代で、コンピューター系の雑誌を読んでいた人間ならば、知らない人はいません。
今の、ネット上で読む文章のスタイルを確立したのは、伊藤ガビンさんをはじめとする雑誌「ログイン」の編集者たちだと私は思います。
私自身、多大な影響を受けています。
●ログイン (雑誌) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%82%A4%E3%83%B3_%28%E9%9B%91%E8%AA%8C%29
ログインは主に、パソコンゲームを扱う雑誌という事になっています。
しかし、ゲームやコンピューターとは全く関係のない内容で、全力で読者を「笑かす」方向にパラメータをふっきっていました。
「文章だけで、こんなにも笑わすことが出来るのか!」と笑撃的でした。
テレビのバラエティ的なものではなく、やはり奥底には知的な部分・博識的な部分が垣間見えるので、読者も読むスキルが必要だと思いました。
まあ、奥底過ぎて、本当は気づきもしないのですけれどね。
「月刊漫画ガロ」は、漫画界の異才をあまた輩出し、その先見性と独自性で一時代を築きました。
私にとって、「文章版ガロ」が、ログインです。
そんな褒め言葉を無駄にするかごとく、変わった編集者が誌面にどんどん出てきて、ロクな事をしないのが大好きでした。
めちゃくちゃ頭の回転が良く、まともな文章を書けるのに、その才能を笑いの方向にだけ使う、まさに「才能の無駄遣い」なセンスが最高でした。
※
(インタビューの一部の要約)
・当時はまだオタクがオタクとして認められていなかった時代。
ノリとしては「こっちのほうがぜんぜんおもしろいことやってるもんね〜!」という自負があった。
・編集部内では、そのへんの人たちが夜中中ずっとダジャレを言っていた。
仕事をしている最中に、ダジャレを止まらず朝まで言い続ける。
カルチャーショックで、ダジャレでトランス状態になっていた。
・ダジャレは「うまく言えた!」みたいなものは全く評価されない。
ちょっとしたほころびが付け加えられただけのものが評価された。
・当時は、夜中まで仕事をして、ふらふらになって、みんなで麹町のアジャンタ(インド料理屋、カレーが有名)へ行き、カレーを食べていた。
米国MIT周辺のハッカーたちは、しょっちゅう四川料理を食べていた(スティーブン・レビー著「ハッカーズ」より)。
辛いものと炭水化物をとって、脳に刺激を与えていたらしい。
それが日本では、四川料理ではなくカレーなのではないかと考える。
実際、夜中にタクシーでここに来ると、お客さんがみんなコンピューターの話しをしていた。
彼らが誰かは知らないけれど、ほんとうにみんなコンピューターの話しに花を咲かせていた。
みんな、大晦日も元旦もアジャンタに通っていた。
当時のコンピューターカルチャーは、カレー屋で夜な夜な培われていた。
・アスキーに入った理由は、「自分の興味のないものに興味があるから」。
わりと一貫していて、雑誌でも映画でも興味が無いものを見るという癖があった。
当時だと、「月間住職」とか「狩猟会」とか。
そういう興味のないもののひとつに、アスキー「ログイン」があった。
・なかでもログインはぶっちぎりで「狂っていた」。
「どうかしているだろう、この雑誌!」と。
アスキーは、いい「部活」だった。
大人になっても部活をやっている感じで楽しかった。
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