2015年06月22日

夕暮れ症候群とは?〜夕方は、妖怪がこの世に出入する異質な時間帯

yuuguresyoukougun01.JPG


【夕暮れ症候群とは?】


認知症の方が病院に入院すると、病室の荷物をまとめて家に帰ろうとする方が多くいらっしゃいます。
これは、自分が病気で入院したことを忘れたり、ここが病院であるということが理解できなかったりと、認知症による記憶障害、見当識障害からくるものです。
特に夕方に多く出現し、「夕暮れ症候群」と言われています。


誰でも夕方は、何かと慌ただしくなる時間帯です。
主婦の方であれば夕食の準備が必要でしょうし、仕事をしていた方であれば、帰宅したりと変化が生じる時間帯です。
認知症の方も今まで過ごしてきたことが身についているためか、何かとそわそわしたり、不安になったりしてきます。


【出典元】認知症にみられる「夕暮れ症候群」 入院中なのに昔を思い出し「家に帰る」という患者
http://www.sankei.com/west/news/150621/wst1506210002-n1.html


認知症の人は、我々とは違う時間軸の中で生活をしていると言う人がいます。
別の時間軸で普通に生活しているから、ご本人にとっては、なにも怖いことではないのです。


しかし、同じ経験・記憶を共有してきた家族にとっては、切なくなります。
「共有」は、人と人との大切なつながりを示すものですからね。


※※※


【サザエさん症候群】


日がのぼると、活動・興奮に関係する交感神経が優位になります。
日が沈むと、リラックス・修復に関係する副交感神経が優位になります。
夕方は、その切り替わる時間帯です。


平日でも休日でも、夕方の時間帯は憂うつです。
これは医学的にも正しいのです。


仲井久夫・山口直彦 著「看護のための精神医学(医学書院)」によると、誰もが精神的に不安定になる時間だそうです。
そして、夜20時を過ぎると「夜の気分」になって精神が落ち着くそうです。
夕方はやはり「悲観的になりやすい時間」らしいですよ。
日曜の夕方、「サザエさん」「笑点」を見て憂鬱になる現象(サザエさん症候群)も、理論的に間違ってはいないようです。



【妖怪がこの世に出入する時間】


『逢魔が刻(おうまがとき)』という言葉があります。


昼と夜の境の夕方と明け方の事で、この時間帯に妖怪はこの世に出入するとされています。
ちなみに妖怪は時間的な境界だけでなく、物理的な境界にも出現します。


神の間・納戸・便所・軒・門・神社・寺・辻・橋・峠・村境などは、そうした境界の主要なものです。
これらの境界は物理的・社会的境界のみならず、神や妖怪の棲む他界との境界とも考えられていました。
やはりこの時間帯の異質な雰囲気を昔の人も感じ取っていたみたいですね。



【解決法】


神経、内分泌、自律神経の『昼モード』の疲労が現われる時間帯。
この時間帯の憂鬱さを吹き飛ばすには、どうしたらよいのでしょう。


いっそうの事、無理せず、その雰囲気に身を任せるのがいいのかもしれません。
身体って複雑だから、あまり無理をすると、何かしら反発するように悪い症状が出るものですしね。


若い人の方が、そういう感覚に陥りやすいかもしれませんね。
学校の授業が終わった後の放課後というのが、正にその時間帯。
色んな事に悩んだり多感な時期ですからね。
ちょっとした周りの変化、体内の変化に敏感なんです。


もし大人になった今でも、あなたがそういう感覚に陥るようでしたら、それはむしろ、あなたは感性豊かな人なのだと思いますよ。


芸術家というのは、世間の人達とは違う時間の進み方で生きているから、誰も考えつかないような作品が出来上がるのです。
もし、何か芸術系の作業をするのならば、夕方にしてみるのもよいかもしれませんね。

Posted by kanzaki at 2015年06月22日 22:13