今年、千葉県に「千葉音声研究所」が設立しました。
●千葉音声研究所 _ 千葉県の音声処理(音質補正・ノイズ除去)のプロフェッショナル
http://www.chiba-onsei-lab.com/
こちらでは、「音質補正・ノイズ除去」サービスを提供しています。(1)伸びてしまったカセットテープの補正、演奏を録音した際に混入したノイズの除去、軽減
(1)離婚訴訟において重大な証拠となりえる音声の明瞭化、隠し録りをした音声から証拠物件の抽出、音声解析
例えば、古いカセットテープの修復ですと、切れたテープをつなぎ合わせ、録音内容をデジタルデータへ変換します。
その後、テープの劣化で生じた音飛びや音程の変化をモニターに映る心電図のような波形を見ながら修正し、CDに収録して引き渡します。
・青春時代、カセットテープに録音した歌声や声を再びよみがえらせたいという依頼。・幼い子どもを亡くした両親が、たどたどしいピアノの演奏を再生不能なMDから取り出したいという依頼。
・弁護士から、事件の証拠となる録音データから「聞き取れない音声を明瞭化してほしい」との依頼。
研究所の代表は、千葉市の音楽制作会社社長・村岡睦稔さん(34)。
「失われかねない大切な思い出を保存する手伝いがしたい」と張り切っています。
(新聞記事より)
※
2年前、村岡さんは、インターネットの会員交流サイトに「収録時に雑音が混じった音源を補正したことがある」と経験談を書きました。
すると、「大事な記録が聞きづらく困っている」という反響があり、人助けになればと依頼を受けるようになりました。
これまでに来た相談は200件を越します。
預かったデータは、流出防止のため、インターネットから独立したサーバーで保管。
一定期間が経つと削除。
作業場所は非公開。
今年、さまざまな依頼に応えるため、会社とは別に研究所を設立しました。
専門スタッフを集め、音声データの修復を主な事業とします。
「社会貢献がしたいので採算は度外視」
5分のデータで2,000円と手頃な料金を設定。
新しい音声処理ソフトの開発も進めています。
「東日本大震災の被災者に、思い出の記録が取り戻せる可能性があると知ってほしい」と呼びかけています。
※※※
【プロボノという社会貢献】
「プロボノ」という言葉があります。
社会人が、自らの専門知識や技能を生かして参加する社会貢献活動、ボランティアのことです。
ラテン語でPro Bono Publico(公共善のために)を略した言葉。
アメリカですと、弁護士はアメリカ法曹協会より、年間50時間以上のプロボノ活動を行うことが推奨されています。
法律や経営の相談を無償で行うのです。
今では弁護士や会計士だけではなく、さまざまな専門分野の方々が実施しています。
「千葉音声研究所」も、いわばプロボノのひとつといえます。
確かに、「音」と思い出というのは結びつきやすいです。
特に、音楽なんかそうですよね。
何十年前に夢中になったアニメやドラマ。
今ではすっかり内容を忘れてしまっても、主題歌だけは覚えていたりするものです。
若いころの思い出と、その当時に流行った歌を結びつけて覚えていたりね。
劣化した音源から、当時の鮮明な音を蘇えらすというのは、我々シロウトにはできない技術です。
なにせ、目に見えない「傷」を修復するわけですからね。
誰かの役に立ちたい。
これは皆が思うところです。
あなたもきっと、あなたにしかできない「プロボノ」があると思いますよ。
※
そういや私自身ですと、写真というものがありました。
単に撮影するだけではなく、雑誌のモデルの写真で行うような加工・修正もできます。
劣化した古い写真を鮮明化することもしました。
社会貢献として行う際には、お金はいただいておりません(渡されても丁重にお断りします)。
村岡さんの「東日本大震災の被災者に思い出の記録が取り戻せる可能性があると知ってほしい」という言葉に同感です。
現実世界で朽ちかけてしまった音や映像を鮮明化することは、今の時代ならできます。
思い出は確かに心の中で生き続けますが、再び、鮮明化された思い出が目の前にあらわれた時、人は笑顔になれると信じています。
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