2015年10月12日

「反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」(著:草薙龍瞬)」を読んだ感想〜「人を動かす(著:デール カーネギー)」も結論は同じ。まずは「ありのまま」からスタートする

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●Amazon.co.jp: 反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」_ 草薙龍瞬_ 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4041030404/


帯に書かれた「ブッダは実は、超クール」という言葉にひかれました。


現在、amazonの「哲学・思想」の売れ筋ランキング1位です。
買うなら、kindle版(電子書籍版)の方が、約3分の1の550円なので良いと思います。


これは宗教モノではありません(そんなの私が紹介するわけがない)。
哲学、思想系の本をたくさん読んできましたが、その根っこの部分は、この本につながるのではないかと感じました。
しかもそれは、現在過去、東洋西洋を問わずにです。


この本の中から、特に日常に取り入れたい部分をご紹介したいと思います。
もし気に入ったら、書籍をお買い求めください。


●この本で特に実践に役立つこと:
心の状態を「言葉で確認する」という方法です。
「今、私は緊張している」等と、目をつむって確認すると心が落ち着きます。
そうすると、ムダな反応から抜け出せます。



・生きていく上で、すべての悩みを根本的に解決できる方法は、「ムダな反応をしないこと」。


・余計な反応をしない為には、「人生には悩み・問題がつきものなのだ」ということを最初から認めるのです。
満たされない、生きづらさ、憂鬱といったものは、「ある」といさぎよく認める。
ポイントは、「受け入れる」のではなく、「ある」と理解するだけです。


・悩みがあるという「現実」を見すえて、その「原因」を理解して、解決への「方法」を実践するのです。
これは、最先端の医学と同じです。


・承認欲求という「反応の原因」が分かれば、ずいぶんラクになります。
「でも、あの人(家族・世間)に認められたところで、それが一体なんなのだ?」と超クールに考えられるようにもなります。


・「反応せず、まず理解する」・・・これが悩みを解決する秘訣です。
特に「心の状態を見る」という習慣を持つことで、日ごろのストレスや怒り、落ち込みや心配などの「ムダな反応」を抑えることが可能になります。


・人が悩み、執着を手放せず、さまざまな問題を抱えてしまうのは、「心の反応」のせいです。


・そうと分かれば、私たちが日々心がけなければいけないのは、「ムダな反応をしない」ことです。


・大切なのは、「心とは、そもそもそういうものだ」と理解しておくことです。
心とは求め続けるもの、それゆえに渇き続けるものなのです。
それを知らないで心を反応し続けると、次から次へと「人生の変化」を求め続けます。
昔は良かったと過去を振り返ったり、転職を繰り返したり、浮気やクスリに走ったり。
求めることで次の可能性もあるかもしれませんが、求めても満たされるとは限らないのが心なのです。


・現代人にとって切実なテーマは「承認欲」・・・「認められたい(認めて欲しい)」という欲求です。
人間にだけあり、動物にはありません。


・「まず、理解する」「そうか、わたしには満たされない承認欲求があるのだ」「この不満は、承認欲求の不満なのだ」と繰り返し、言葉で、客観的に理解するように努めます。
すると、反応が静まってきます。


・心の状態を「言葉で確認する」のです。
苦手な人の前で緊張してしまったら「わたしは緊張している」と確認します。
長時間テレビやネットで遊んでしまったら「頭が混乱して落ち着かない」「心がざわついている」と客観的に確認します。
特に、「目をつむって」確認してみると、心が落ち着きます。


・この「言葉で確認する」ことを仏教用語で「ラベリング(ラベル貼り)」と呼びます。
心の状態にぺたりと「名前」を貼って、客観的に理解してしまうのです。


・ラベリングを日常動作にも、同じようにします。
掃除をしているとき、「食器を洗っている」。
歩いているときは、「今、歩いている」。
パソコンで作業をしているときは「作業をしている」と、ありのままに言葉で確認します。


・あれこれ余計なことを考えてしまい、落ち着いて物事に取り組めない悩みの理由は、「妄想」です。


・妄想を抜けてリセットする方法は、「妄想している状態」と「妄想以外の状態」を区別することです。
目を閉じて何かを考えたり、過去に見た映像を想像してみます。
次に、目をぱちりと開いて、目の前の景色をよく見ます。
このとき、さきほど脳裏に浮かんだものは存在しませんよね。
「さっき見ていたものは、妄想である」
「今見ているものは、視覚(光)である」
とはっきり意識してください。
妄想とそれ以外の状態を見分けるのが大切。
「妄想vs視覚」「妄想vsカラダの感覚」


・妄想とはまったく別の「カラダの感覚」に意識を向けてみてください。
呼吸をするときの、鼻先を空気が出入りする感覚、
お腹が膨らんだり、縮んだりしている感覚など。
こうして、妄想と感覚の違いを意識しながら、「感覚の方に意識を集中させる練習」をしていくと、「妄想から抜ける」ことが上手になっていきます。


・オススメしたいのが、自宅から職場への行き帰りの最中です。
歩いている時、「右、左」と頭の中で言葉を確認しながら、足裏の感覚を感じ取るようにします。
電車の中で立っている時は、鼻先を出入りする空気の感覚や、お腹のふくらみ・縮みの感覚を「吸っている、吐いている」と、言葉を使いながら感じ取るようにします。


・悩みはいつも「心の内側」に生じます。
だから、悩みを抜けるには「心の外」にあるカラダの感覚に意識を向けることがベストな方法なのです。


・「ブッダ」とは、「正しい理解をきわめた人」という意味です。
「正しい理解」とは、「自分が正しいと考える」ことではありません。
「自分流の見方・考え方で理解する」ことでもありません。
むしろ逆に、「自分はこう考える」という判断や、解釈や、ものの見方をいっさい差し引いて「ある」ものを「ある」とだけ、ありのままに、客観的に、主観抜きの「ニュートラル」な目で、物事を見すえることを意味しています。


・「正しい理解」に「反応」はありません。
ただ見ているだけです。動揺しない。
何も考えない、じっと見ているだけです。
クリアな心で自分、相手、世界を理解することを「正しい理解」と表現します。


・仏教=ブッダの教えとは、「正しい理解によって、人間の苦悩から自由になる方法」のことだといえるのです。


※※※


【 人を動かす(著:デール カーネギー)】


映画「アナと雪の女王」以降、よく耳にするようになった「ありのまま」という言葉。
これは実は生きていく上で、とても重要なキーワードなのですね。



不安や悩みを解決する上で、まず「ありのまま」に理解する。
変なフィルターを通さないで見つめるのです。


今、下記の本を読んでいます(詳細は後日、ご紹介します)。


●Amazon.co.jp: 人を動かす 新装版_ デール カーネギー, Dale Carnegie, 山口 博_ 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4422100513/

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この本には、不安の90%は、以下の方法で解消できると書かれています。


1.何が不安なのかを明確に書き出す。

2.自分に何ができるのかを書き出す。

3.どうするべきかを決める。

4。その決断を、即座に行動に移す。


これってある意味、「反応しない練習」に書かれている「ラベリング」ですよね。
言葉(文字)にして客観的になるのです。


この書籍「人を動かす」は、「現在」の仕事に没頭することで、不安を忘れることができるとも書かれています。


また、心配事の99%は起こらないのだから、余計なことは考えない方が良いとも書かれています。
この考えで不安の多くは解消できます。
これは、「反応しない練習」の「妄想」にあたる部分ですね。


アメリカでもっとも偉大なインディアン戦士・ジョージ・クルック将軍は、こう語っています。
「インディアンの持つほぼすべての不安と不幸とは、現実ではなく自らの空想の産物である」


哲学者ウィリアム・ジェームズは、こう語っています。
「ありのままを受け入れなさい。ものごとを受け入れることは、あらゆる不幸を乗り越えるための第一歩である」


エリザベス・コンリー
「すべてはありのまま。そうとしかあり得ず」
つまり、運命を受け入れ、それと調和すること。


ショーペンハウアー
「人生の旅路をゆくためにはまず、十分なあきらめが肝心だ」


エルシー・マコーミック
「運命にあらがうのをやめると、人生をより豊かなものへと作り替えてくれる力が解放される」


シビル・F・パートリッジの「今日だけは」というプログラムの最初の一節

今日だけは、幸せに暮らそう。
「私たちはほぼ誰もみな、自分がこのくらい幸福になろうと思った分、幸福になることができる」
というエイブラハム・リンカーンの言葉は、まさに至言だ。
幸福とは自分の外ではなく、内から生まれるものなのだから。

Posted by kanzaki at 2015年10月12日 10:57