昔から苦手な言葉があります。
「成長(変化)しないのは退化と同じだ」
この言葉そのものというより、この発言を声高らかに言う人が好きになれないのです。
世の中は、目立たずとも間違わず、コツコツと日々仕事をしている方々で成り立っているのです。
大きな改革を実際に運用するのは、間違いなくこの方々です。
そういう方々を否定するような雰囲気で語るから嫌なのです。
この言葉を軽々と用いる人には、「冬夏青青(とうかせいせい)」という言葉を教えてあげたいです。
※
【冬夏青青とは?】
「冬夏青青」とは、冬も夏も青々と茂るさまを表す言葉です。
一年中、常緑樹は、青々とした葉をつけています。
そこから転じ、どんなときも変わらない固い信念や、節操が固くつねに変わらないことをあらわす熟語です。
出典は、中国の書「荘子」です。
松やヒノキなどの常緑樹は、冬でも緑を絶やしません。
そこから、長寿や永遠性を象徴する縁起の良い植物として知られています。
緑を絶やさないからといって、樹木から葉がまったく落ちないわけではありません。
常緑樹が常に青くみえるのは、古い葉が枯れるのと同時に新しい葉が育っているためです。
頭から生えている髪の毛と同じです。
一見すると変わらず青くみえる常緑樹ですが、常に新陳代謝を繰り返しています。
同じように、一切の変化がない企業というものも存在しません。
冬夏青青の意味する「変わらない信念」は、言い換えれば、小さな変化を積み重ねた結果ともいえるのです。
端から見たら、平凡に見える私生活・仕事でも、それを毎日、異常がなく繰り返すには、小さな試行錯誤の繰り返しがあってこそです。
私は、そういう行動をきちんとやっている方々が好きです。
本当の変革は、冬夏青青の意味する言葉通りの姿勢なのだと思います。
現代で、大げさに「変革」とわめいている人は、単にコストダウン、従業員の給与ダウンしか目が向いていない人ではないかと思うのです。
近視眼ではいけないのは当然ですが、大局の見通し方というものを誤ってはいけないと思います。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 | 31 |