2022年02月09日

ピークエンドの法則で幸福感アップ

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●『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全 ベストタイムにベストルーティンで常に「最高の1日」を作り出す』(樺沢 紫苑 著)より


【ピークエンドの法則で幸福感アップ】


よく「終わり良ければ全てよし」といいますが、これは科学的に正しいのです。


ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン博士は、「ピークエンドの法則」を提唱しています。
「ピークエンドの法則」とは、冷水に手を入れて不快感を計測する実験で、最後の30秒だけ「ぬるま湯」に手を入れてもらうグループでは、不快度が大きく減少したという実験から生まれました。


つまり人間の印象は「ピーク」と「エンド」で決まるということです。
日常生活で何が起きるかは、自分でコントロールできませんが、寝る前に「何を考えるか」は自分でコントロールできます。

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「上司に叱られた」のようなネガティブな体験を思い出し、クヨクヨしたり、イライラしたり、不安な気持ちで布団に入る人は少なくないはず。
「上司に叱られた」ことを思い出して眠れば、「最悪の1日」になりますが、「書類を完成して提出した!」ことを思い出せば、達成感と充実感のある「幸せな1日」として締めくくれるのです。


不安とは、扁桃体の興奮の結果です。
扁桃体が興奮すると、脳も身体も臨戦状態となりますから、眠りを妨げます。
寝る直前は、「ネガティブ体験」ではなく、「ポジティブ体験」を思い出して、ハッピーな気分でそのまま眠りましょう。
すると「いい1日だった」という記憶が定着し、睡眠も深まるのです。

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そこで、私がお勧めしているのが、「3行ポジティブ日記」です。


今日あった「楽しかったこと」「よかった出来事」を1つ1行ずつでいいので3つ(3行)、紙に書いてください。
1行1分、3分あればできるはずです。


紙に書いたら、その中の一番楽しかったことを、強烈にイメージしながら、布団に入って寝るまでそのイメージを維持してください。
人間は、一度に2つのことは考えられません。
「ポジティブな記憶」で頭を一杯にしていれば、「ネガティブな記憶」が入ってくる余地がないのです。
不安が強い人、失敗体験を引きずる人、メンタル疾患の患者さんなどは、1、2週間やるだけで、絶大な効果が得られます。


寝る前に考えたことは、記憶として強化されます。
寝る前のたった3分間の習慣で自己肯定感が高まります。


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「ピークエンドの法則」って良い考えですね。
なんていうか、現状が辛い人間にとって救いがあります。


もしかしたら、1日とかの短いスパンだけじゃなく、人生という長いスパンでも同じなのかもしれません。
最後は笑顔で終わりたいものです。


「有終の美(ゆうしゅうのび)」という言葉があります。


有終の美を飾るとは、事を全うし、締めくくりの局面でも見事な成果を挙げるという意味で用いられる言い回しである。
競技生活を引退する選手が、最後の大会や試合で勝利や得点を上げるといった場面で用いられることが多い。
有終の美を飾るの「有終」は、物事を最後までやり遂げる(完遂する)という意味合いの語である。


「終わり良ければ全てよし」よりもハードルが高いです。
ずっとやり続け、更にはラストでも大きな成果を出すことですからね。
まあ、なかなか難しいです。
これには手を出さない。


途切れ途切れでも良い。
最初から最後まで同じことを貫き通さなくていい。
それでも絶望せず、少しずつ前進する。
他人の評価ではなく、自分で自分の人生を評価する。
悪いところばかり評価せず、小さなことでも良いから自分を褒めてあげる。
そういうことの積み重ね。


途中がどうであろうと、「終わり良ければ全てよし」で良いのではないかと思います。

Posted by kanzaki at 2022年02月09日 07:00