●『思考と発想ノート術』(掟想視 著)より
【発想のノート術】
やり方をまとめると、まず、検索しても出てこない問題を「なぜ」以外の疑問形で「やるか、やらないか」のように二者択一になる質問の形でノート見開きの中心に書き出す。
その質問から思いついた単語や簡単な文章を余白をたっぷりあけながら、拡散させるようにバラバラで書きだす。
やがて何も思いつかなくなったらそれまで書きつけてきた内容を読み直す。
読み直しているときに思いついたことがあればまた余白に書き出す、その中でも意外な関連性が見えた要素と要素を繋いでいく……たったこれだけだ。
思いつかなくなったらどうするのか心配になるかもしれないが、やってみるとわかる。
勢いに乗れば怖くなるくらい奇妙な発想が広がり、自分の発想の限界を超えていくことになる。
これを趣味のアイデア出しに使うのも良し、仕事で活かすも良し、なんにでも使える。
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まずは問題と思っていることをノートを見開きにして、その中心に疑問形で書き出してみる。
この疑問形は一言で言い切れる形にして、自分に質問するつもりで書く。
そして、その質問の頭につく言葉を「なぜ」にするのだけは避ける。
疑問形の「なぜ」がダメな理由は、有名な5W1Hのうちの4W1H、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どうやって」の、どの問いかけにも「なぜ」はワイルドカードのように適用可能な曖昧な問いかけだからだ。
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発想を広げてようとしているのに「なぜ」を使ってしまうと目的が漠然として答えが出しづらくなる。
一番簡単な「良い質問」の作り方は「やるか、やらないか」と行動を問う方法だ。
曖昧さを排して必ず二者択一になるため、ディベートで議論する際もこの形式の問題がよく用いられる。
日本人にはあまり馴染みのない問題の形式である「イシュー」は、この「やるか、やらないか」の行動を学術研究や社会に対して問うことだと考えておけば大きく間違うことはない。
ちなみに私が個人的に最も良い質問と考えているのは「○○は××なのに□□が△△になってしまう条件は何か」である。
この質問は事実を基にした分析的な思考を導きつつ、答えを出さずにはいられない魅力がある。
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最初から質問を「○○は××なのに□□が△△になってしまう条件は何か」と出すのは難しいので、最初のうちは何も思いつかなくても「なぜ」以外の、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どうやって」のいずれかを頭につけた、「やるか、やらないか」形式の質問をノートの真ん中に書き出すだけで良い。
それだけで質問としては充分品質が高いものになる。
こうして思い付きを書き出す、発想が止まる、読み直す、思いつく、書き出す、発想が止まる、読み直す……を繰り返していくと、ある時、かなり前に適当に書いていたことが、今書き出したことに、奇妙に繋がる部分があることに気づいたりするのだ。
これは実際に試さないとわからない不思議な現象だが、常識的に考えていては、まずありえない繋がりが生まれて、その二つが繋がったとき、さらに発想が飛躍して繋がり始める連鎖反応のような状態になる。
ここで「これとこれが繋がってる」とはっきりさせるために、線で繋いでしまう。
その繋がりから思いつくことがあれば、余白に書き出しておく。
そしてまた何も思いつくことがなくなったら全体を読み直していく、その時思いついたことを空白部分のどこでも良いので書き付ける。
さらに思いつくこと、関連しそうなところがあれば線で繋ぐ、そして思いつくこと……と繰り返していくとやがて最初の質問の答えとして、これまで見えてなかった何かがぼんやりと見えてくることになる。
そしてあらためて線を追いかけていくと、それがこれまで考えたこともなかったような不思議なアイデアだったりすることがある。
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記憶が確かなうちにデジタルのテキストデータで結論をまとめて書いておく。
あなたが「手書きじゃなければ記憶には定着しない」説の熱狂的な信者でもない限り、ここで必ずデジタルのテキストデータにしておくことだ。
ここから「読み直し」と「書き直し」を何度も行っていくが、手書きだと、この「読み直し」と「書き直し」の繰り返しに耐えられなくなる。
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【コメント】
世間には「ノート術」が数多あります。
その中でも、アイディアを生み出すための方法としては、上記が最適化されたものだと思います。
「○○は××なのに□□が△△になってしまう条件は何か」という部分が難しいですね。
これが出来る上司はほぼいません。
ブラック企業の温床。
大抵、仕事でも、大前提となる問題点をきちんと定義しない場合が多いです。
曖昧な思い付きのまま始まり、曖昧なまま上司が部下へ指示し、よく分からないフワフワした中で部下や関連業者は仕事をこなすことになります。
解釈に時間がかかり、無駄が多くなるのです。
日本の組織の欠点であり、多分、一生解消されない部分だと思います。
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