●『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』(マシュー・サイド 著)より
ブレイルスフォードはいったいどうやって、トラックレースのみならずロードレースまでも制したのか?
私はチームバスを見学したあと、チームが滞在していた小さなホテルで夕食をともにした際、ブレイルスフォードに直接その質問をぶつけてみた。
「小さな改善の積み重ねですよ」彼の答えは明快だった。
「大きなゴールを小さく分解して、一つひとつ改善して積み重ねていけば、大きく前進できるんです」
実にシンプルな答えだが、この「マージナル・ゲイン」というアプローチは、今やスポーツ界に限らずさまざまな分野で注目を浴びている。
ビジネス会議やセミナーの議題となるのはもちろん、軍隊でも参考にされているほどだ。
イギリスのスポーツ界では、マージナル・ゲイン専門のアドバイザーを雇っているチームも多い。
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デイブ・ブレイルスフォードとイギリスの自転車競技の話に戻ろう。
自転車競技と国際開発はまったく別の分野だ。
しかしブレイルスフォードは先駆者として、同じアプローチで成功を収めた。
彼は言う。
「壮大な戦略を立てても、それだけでは何の意味もないと早いうちに気づきました。
もっと小さなレベルで、何が有効で何がそうでないかを見極めることが必要です。
たとえそれぞれのステップは小さくても、積み重なれば驚くほど大きくなります」
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【コメント】
課題があったら因数分解し、徹底的に細かくしていく。
細かくとは、「容易に行動できる」ようにすることだと思います。
いろんな計画を同時並行で行っていると、特にこれが大切です。
自分一人では完遂できませんから、他の人にもやってもらわなければいけません。
その際、「容易に行動できる」内容じゃないと的確な指示はできませんもの。
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