●『諦める力〜勝てないのは努力が足りないからじゃない』(為末 大 著)より
今いるところが最高で、そこから下がればマイナスと考えると、現状にしがみつくことになる。
それは結果的に行動や思考を萎縮させることにつながる。
今を守ろうとして今も守れないという状況だ。
成功という執着や今という執着から離れることで、人生が軽やかになる──これが僕の言いたいことである。
「執着から離れる」などというと、宗教めいていると思われるかもしれない。
実際、僕は死ということをよく考える。
死んだら人生は終わりだが、もともと存在しなかった人間が生まれ、ある時間を生き、また無に帰っていくと考えると、ただ「もとの状態」に戻るだけという気がする。
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諦めるという言葉は、明らめることだと言った。
何かを真剣に諦めることによって、「他人の評価」や「自分の願望」で曇った世界が晴れて、「なるほどこれが自分なのか」と見えなかったものが見えてくる。
続けること、やめないことも尊いことではあるが、それ自体が目的になってしまうと、自分というかぎりある存在の可能性を狭める結果にもなる。
前向きに、諦める──そんな心の持ちようもあるのだということが、この本を通して伝わったとしたら本望だ。
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【コメント】
年齢を重ねて、「勝ちたい」という気持ちは無くなりました。
以前から、「現状維持」できれば御の字だと思っていたのですが、今はさらに「諦めて階段をおりたい」。
そういう気持ちが大きいです。
景気の悪さが、その気持ちに拍車をかけています。
就職氷河期世代は、社会に出た時から「諦めの境地」でしたが、まさかリーマンショック以上のダメージをくらうとは思いもしませんでした。
諦めるにしても、「前向きに、諦める」を実践したいものです。
何も手を尽くさないで待っているだけでは、永遠にそのままです。
諦めたからこその実行力。
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