●『生き方はニーチェに聴け!』(白取春彦 著)より
※フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェは、ドイツ・プロイセン王国出身の思想家であり古典文献学者。
言葉もまだ数語しかしゃべれない幼児がいくつかの積み木で遊んでいる。
積み木を重ねようとしているのだが、なかなかうまくいかない。
バランスが悪くてどうしても積み木が崩れてしまう。
見るに見かねた大人が横から手を伸ばそうとする。
すると、幼児はとてもいやがるものだ。
幼児はとにかく自分の力だけでなんとか積み木を重ねてみたいのだ。
ここに大人と幼児の差がある。
大人は結果の形を求める。
幼児は自分の力で事を成すことを求めている。
すぐれているのは幼児のほうだ。
なぜなら、この幼児のしていることはまさに自己実現だからだ。
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たいがいの大人の生き方は創造からほど遠い。
彼らの人生はえんえんと続く買い物だ。
すでにあるものから選ぶ、迷ったときは多くの人が買ったものを選ぶ。
飽きれば、買い替える。
買い物をしなければならないから、買うための金銭が欲しい。
だから、報酬や給料の金額を気にかける。
仕事を求めるのではなく、仕事によって得られる金銭を求める。
彼らにとって、仕事や自分がすることは手段でしかない。
本当は、その手段をはぶいて直接に金銭や物を手に入れたいのだ。
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本来ならば、自分の仕事の中心にその喜びがあればいいのだ。
そうすると、仕事が日々の喜びになる。
もし仕事で失敗してもなお、手がけたという手応えの喜びは失せない。
なぜならば、どんな事柄であっても、人間の自然本来の欲求に沿う生き方だからだ。
人生の喜びとは、快楽を味わう悦びではないし、金持ちになる優越感でもない。
人生の喜びとは、自分を十分に生かすことのダイナミックな喜びだ。
そのことを体感として知っている人は、いついかなるときでもいきいきとした人生を送るようになる。
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【コメント】
やりたいこと、夢中になれることが、そのまま収入につながる人をうらやましく思います。
半面、そういう事で平均収入以上の稼ぎを得ている人は、そんなにいないのではないかとも思うのです。
(会社に雇われて収入を得る雇用形態ならば、まだ稼げますけれどね)
大概、家族や自分が生活していくには、我慢を強いられる仕事をするしかありません。
本日、ゴールデンウイーク明けの月曜日、出社するのが辛い人も多いのではないでしょうか。
やりたいこと、夢中になれることは趣味の範疇で我慢する。
多くの人はそうなんじゃないでしょうか。
それでも、夢中になれる趣味等があるならば、仕事とのバランスがうまくいって幸せでしょう。
人生の後半について考え始めると、「やりがい」と「収入」のバランス・折り合いをどうつけるか考えがちです。
今の日本で生きるには、本当にこのバランスは難しいものです。
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