●『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』(山口 周 著)より
こういった知識をビジネスの世界における「生きた知恵」に転換するには、「抽象化」が必要になります。
抽象化とは、細かい要素を捨ててしまってミソを抜き出すこと、「要するに○○だ」とまとめてしまうこと。
モノゴトがどのように動いているか、その仕組み=基本的なメカニズムを抜き出すことです。
経済学の世界ではこれを「モデル化する」と言います。
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筆者が知る限りもっとも端的にまとめているのは、社会科学の名著である小室直樹先生の『論理の方法』です。
この本では、次のように説明しています。
モデルとは本質的なものだけを強調して抜き出し、あとは捨て去る作業です。
「抽象」と「捨象」と言います。(小室直樹『論理の方法』p2)
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お気づきの通り、すべての抽象化された示唆や洞察の最後には「?」がつくことになります。
なぜ「?」がつくかというと、それが「仮説」であって「真実」ではないからです。
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『論理の方法』では次のように説明しています。
論争が不得手な日本人でも、自分の大切にしている考えが「モデルだ」ということさえわかれば、論争もスポーツみたいに考えられるようになるはずです。
「モデルとは仮説である」ことが本当にわかれば、いくつでも自由に抜き出して並べることができます。(小室直樹『論理の方法』p2)
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「抽象化」を行わずに本を読んでいると、どういうことになるでしょう?
単なる「物知り」になるだけです。
皆さんの周りにも、そういう人がいるのではないでしょうか。
たくさん本を読んでいるし、さまざまな分野についての知識をひけらかして悦に入っているのに、仕事や生き様ということになると今ひとつ……という人です。
さまざまな分野について雑多なことを知っているけれども、その知識を実生活や仕事に役立てられない「残念な人」にはならないよう、気をつけてください。
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【コメント】
読書を血肉として活かすための極意。
それが「抽象化」です。
自分の頭の中で咀嚼し、自分の仕事や人生に合わせて使うためには確かに必要ですね。
これにより、自分の読書のやり方が大きく変わったように思います。
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