2024年02月18日

デンマークの「2つの玄関」

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●『デンマーク人の自由な生き方 暮らし方[ 住まいのこと]』(クッター・エミ 著)より


デンマークの家には、二つの玄関があるのが普通。
日本の昔の家にも、もう一つの玄関があり、勝手口、通用口としての役割がありましたが、デンマークの場合は、実は二つ目の玄関の方がメインです。

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一つ目の玄関は、玄関前に花のプランターが置かれ、「ようこそ! Velkommen!」というプレートがドアにかかり、ゲストはこちらのベルを鳴らします。
ドアを開けると、写真や絵などが飾られて、明るく楽しく、その家らしく、お客様を迎え入れてくれます。

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もう一つの、二つ目の玄関。
こちらが家族の普段の玄関で、装飾はなく、あくまで実用的なスペースです。
小部屋ほどの大きさで、ここには主に二つの役割があります。
脱いで、家に汚れた物を持ち込まないためのスペースとしての役割、そして、物の収納スペースとしての役割です。


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【コメント】


人にもよりますが、日本は自宅へ客を招き入れるということが少なくなったように思います。
会うなら外で。
一人か二人住まいが多く、そもそも人を中へ入れられるほどのスペースもありません。


大昔は、上司が部下を自宅へ招き入れてパーティーをするなんていう、私からしたら都市伝説みたいなことがありました。
昔のアメリカのドラマでしか観たことがありません。


人には「自宅の顔」と「外での顔」があります。
仕事の際の顔は、自宅の顔とまったく異なると言っていい。
それぐらい、言葉も動きも変わります。


だから、自宅にまで「2つ目の玄関」という異なる顔を持つというのは、精神的にもきついものがあります。
自宅ですら2つの顔を用意しなければいけないのかと。


ある意味、スマホを使ってSNS上でやり取りするコミュニケーションが「2つ目の玄関」なのかも。
せいぜい、ここが自宅と外のギリギリ、中間地点なのかなと。
そこならば、なんとか自宅にいても対応できる。


それですら疲弊し、「SNS疲れ」をしてしまう人もいます。
そういう人は、無理して「2つ目の玄関」を用意する必要はないと思います。
「あなたの為の玄関」があれば良いのです。

Posted by kanzaki at 2024年02月18日 13:25