2024年04月10日

うつの本質は疲労

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●『「プチうつ」気分にサヨナラする本』(下園壮太 著)より


うつを悪化させるクライアントには、二つの特徴があると思います。  


一つ目は、うつについての誤解です。  


多くのクライアントは、うつについて、間違えた捉え方をしています。
今の苦しさを、自分自身の我慢のなさ、心の弱さのせいだと考えているのです。  


本書で詳しく説明しますが、うつの本質は疲労です。


ほとんどの場合、心の弱さなどとはまったく関係がない、むしろ肉体のトラブルという側面が強い状態なのです。
このことをよく理解していないと、いたずらに自信を失うことになります。
正しい知識を持つことで、その悪循環を止めなければなりません。  


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二つ目は、このうつについての誤解(誤った認識)が原因で、うつに対して間違えた対処をしてしまうことです。


休むことができない、医療を活用できないという行動に表れます。
うつの本質は疲労だと理解できると、その対策は間違いなく「休養」であることに気がつくはずです。


ところが頭でそれがわかっても、実際にはその休養がとれない人があまりにも多い。
そんな人は、弱い自分がいったん休んでしまうと、ズルズルと社会から置いていかれるという不安を持ったり、「だめ人間の私がばれてしまうと、みんなから除け者にされてしまう」と考えたりしてしまうのです。
それで結局、休めない。  


さらに、休まないで何をしているのかというと、今の苦しさを一瞬でも忘れるために、必死になって自分なりのストレス解消法を試しているでしょう。
仕事に没頭する、体を鍛える、栄養ドリンクやサプリメントをのむ、マッサージをする、ディズニーランドへ行くなど……。


これらは、一時的にがんばることによってイベントを乗り越え、そのあとにはゆっくり休憩できることを前提とした、短期間の対処法なのです。
すでに疲労困憊し始めているプチうつのときは、逆効果になります。


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疲労は、蓄積するのです。
いったん蓄積された疲労は、2、3日の休養では回復しません。数週間、人によっては数カ月単位の休養が必要になります。


プチうつだと感じたときに最初に行う作業は、休みをとることです。
何が原因でプチうつになってしまったのかを考えてしまってはいけません。
原因分析よりも対処することが重要です。  


私は、自衛隊のストレスコントロール教官です。
周知のように戦場は非常にストレスの多いところです。
米軍などが、戦場でうつ状態になった人に最初に行う対処は、「3日間戦線から外して、休養をとらせること」です。
薬やカウンセリングを与えるのではなく、まずは休養なのです。


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【コメント】


鬱は疲労。


精神面の弱さではなく、単に肉体的疲労だと知れば、それだけでも精神的に救われますよね。


普通に生活している人だって、うつに近い感情になるなんてよくあること。
確かに振り返ってみると、体力が低下している時と同期しているように思います。


最近、ビタミンB1を疲労回復のために服用しています。
(整腸剤とバナナに追加した)
いい感じ。
けれどこれはあくまで補助。
心身疲労はやはりひたすら寝て、体力回復を狙いたいと思います。

Posted by kanzaki at 2024年04月10日 06:58