●『すらすら読める新訳 フランクリン自伝』(ベンジャミン・フランクリン, 芝 瑞紀, 楠木 建 著)より
※ベンジャミン・フランクリンは、アメリカ合衆国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者。
印刷業で成功を収めた後、政界に進出しアメリカ独立に多大な貢献をした。
また、凧を用いた実験で、雷が電気であることを明らかにしたことでも知られている。
『自伝』(第6章)によると、1728年ごろに彼は「道徳的完全に到達する大胆で難儀な計画」を思いついた。
この理想を実行するため、自らの信念を十三の徳目にまとめた。
彼は毎週、一週間を徳目の一つに捧げて、年に4回この過程を繰り返した。
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【だが、若き日の私がしたことはけっしてむだではない】
正直、自分が性格的に「規律」を守れないことは昔からよくわかっていた。
歳をとって記憶力がおとろえてからは、なおさら自分のだらしなさを痛感するばかりだ。
だが、若き日の私がしたことはけっしてむだではない。
たしかに、「道徳的に完璧な人間になる」という当初の目標は達成できなかったが(もっといえば、その目標に近づくことさえできなかったが)、懸命に努力したおかげで、人として多少は成長したし、多少の幸せをつかむこともできた。
これは、印刷された文字を手本にして完璧な文字を書こうとする試みに似ている。
きれいに、ていねいに書く努力を続ければ、手本と同じ域には達せなくても、そこそこ読める文字が書けるようになるのだ。
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【コメント】
若い頃、勉強でも仕事でも趣味でもいい。
なにかしら一生懸命やったこと、続けたことがあると思います。
そして、それらはどこかで「これ以上は無理。不要」と諦めたことも多い事でしょう。
一度、自転車の乗り方を覚えてしまえば、久しく乗っていなくても体が運転を覚えているものです。
それと同じように、現在の考え方や行動等は、過去の自分の集大成だと思うのです。
無駄ではないと思います。
そして今なお、小さくても日々続けている習慣があったとしたら、それは未来の自分への栄養補給ともいえます。
無駄ではありません。
続けましょう。
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