●『中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚』(洪自誠, 祐木亜子 著)より
※『菜根譚』(さいこんたん)は、洪自誠(洪応明、還初道人)による随筆集で中国古典の一つ。
前集222条、後集135条からなる中国明代末期のものであり、主として前集は人の交わりを説き、後集では自然と閑居の楽しみを説いた書物である。
明治時代以降も、清言の書として人々に愛読された。
処世訓の最高傑作の1つとして、田中角栄、吉川英治、川上哲治、野村克也も愛読した。
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無欲な人は、自ら幸せを求めようとはしないが、いつの間にか幸福な人生を歩んでいるものだ。
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分をわきまえ、満足することを知っている人は、どんなに粗末な食事でもおいしいと言い、どんなに粗末な服を着ていてもあたたかいと言う。
こういう人は、地位も財産もない貧しい庶民であっても、心は王侯よりも豊かである。
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花は五分咲き、酒はほろ酔い加減に、最高の趣がある。
満開の花を見たり、泥酔するほど酒を飲んだりしては、台なしだ。
満ち足りた境遇にいる人は、このことをよく考えてほしい。
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【コメント】
無欲って良い面もあるけれど、あまりにもマイペースすぎると、周りに迷惑をかけるように思います。
マイペース過ぎる人が同じグループにいると、全体のパフォーマンスが低下するからです。
大抵、そういう人は能力が低いです。
その能力でも世の中を渡り歩くための処世術として、マイペースを保っている。
感情の起伏はないので反抗的ではない。
本人は仕事をやったつもりでも、はたから見ると間違いや中途半端が目に付く。
あまりにもマイペース過ぎて、緊張感や集中力が散漫になっているから。
その人を補うため、周りが尻拭いして疲弊する。
「無欲=やる気がない」ならば、そういう無欲は必要ないと思います。
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この書籍内での「無欲」というのは、「身の丈を知ること」のように感じました。
この身の丈も捉えようによっては、「私には無理だから、他の人がどうぞご勝手に」というスタンスにもなりかねません。
だから、そのフォローの為に他者が疲弊する。
その人ひとりで行う人生ならばそれで良いのですが、世の中そうはいかないので他者を巻き込んでしまう。
さじ加減って難しい。
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