●『上手な心の守り方―――不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント (知的生きかた文庫)』(枡野 俊明 著)
お釈迦さまはいいました。
「執着の強い人は、ヒマラヤの山を黄金で埋めても、まだ満足しない」と。
それくらい人間の欲望には際限がないもの。とくに金銭欲や物欲はふくらめばふくらむほど、心をかき乱すものになります。
そういった欲望をコントロールして、心の平穏を維持するには「小欲知足」という言葉を覚えておくといいでしょう。
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お釈迦さまがご臨終を迎える際の最後の教えとされる「遺教経」という長いお経のなかに、こう書かれています。
「知足の人は地上に臥すといえども、なお安楽なりとす。
不知足の者は、天堂に処すといえども、また意にかなわず。不知足の者は富めりといえどもしかし貧し」
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つまり、「こうして生きていられること自体、ありがたいこと。いまのままで十分だ」と思っている人は、暮らしぶりがどうであろうとも心は豊かである。
一方、「まだまだ満足できない」と思っている人は、どんなにぜいたくな暮らしをしていても心は貧しい。
「もっと、もっと」という思いにかき乱され、いつまでたっても心は枯渇感でいっぱいで、幸福感が得られない。そういうことです。
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【コメント】
「小欲知足(しょうよくちそく)」は、欲を少なくして足ることを知る、という意味の言葉です。
仏教の教えで、欲望を制御する生活に大きな意味を持ちます。
私の好きな言葉の一つです。
本当の意味で心を豊かにするには、これが必要なことだと思っています。
もう一つ好きな言葉が、「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」。
禅語で、今日の一日は二度と来ないかけがえのない時間であり、全身全霊をこめて生きることが好日を見出すことにつながるという意味です。
この2つが、私の日常を支えています。
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