前回の続き
前回の記事:FOMA M1000を一瞬だけ使ってみる【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/000669.html
電源を投入して起動させている最中の画面。
実際に操作できるまで、1分30秒ぐらいかかりました。
ちょっと時間を喰いますね。
しかし、基本的に電話なので、常に電源は入りっぱなしな訳ですし、電源を再投入するなんて殆ど無いでしょうから、特別気にすることは無いと思います。
いろんな機能を選ぶ画面。
PDAらしい画面ですが、最近の携帯電話でもこれぐらいのメニューはありますね。
上記はスケジュール管理の画面。
一般的な事は入力可能です。
メモリー内やメールに添付されたPDFファイルを閲覧可能です。
ドコモは今後、PDFコンテンツに力を入れます。
参考資料:ドコモのPDFコンテンツってどんなもの?
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0505/18/news053.html
901iSシリーズはPDFビューアを内蔵しており、上記のような展開を考えているそうです。
M1000は画面が大きいですからね。
かなり有効に使えそうです。
ただし、M1000はiモードの公式メニューや公式サイトを閲覧できないはずですから、俗に云う「勝手サイト」などからダウンロードする方が多いのかな?
パケット料金も多額になるので、一番無難なのは、PCとケーブルで接続し、PC内のPDFファイルをM1000の内蔵メモリやTransFlashに入れるのが良いかと。
こういうコンテンツビジネスをどこかでやっていたなあと思ったら、そういやソニーがCLIE TH55を発売した際に「リフィル(便利情報)」と云う名前で販売していましたね。
関連記事:クリエ CLIE PEG-TH55【便利情報・リフィル】
http://kanzaki.sub.jp/archives/000182.html
販売サイト:ソフトウェア ダウンロード -Sony Style
http://www.jp.sonystyle.com/Nws/Software_dl/Pda/Software/Mag/Rr/index.html
CLIE TH55の機能の一つ「クリエオーガナイザー」で使用できます。
国内各地の地下鉄路線図、世界の単位換算表、世界主要都市の気温と降水量、カロリー表などを表示できる訳ですが、正直な話し、ビジネスとしては成功していないと思います。
自分でリフィルを作りたいと思っても仕様をソニーが公開しなかったせいで、ビジネス云々の前に認知されなかったような気がします。
それにPDAを使っているぐらいのPCヘビーユーザーならば、自分でPDFファイル、JPEGファイルで似たようなものを作れますしね。
ただ、携帯電話ユーザーを対象にしたPDFコンテンツだと、データの自作をしない人も多いし、なんたってユーザー数が違いますから、もっとアイディアとユーモアに富んだデータが販売されるかもしれませんね。
案外、ビジネスとして成功するかも。
PDFファイルだけでなく、上記のようにワードやエクセルファイル等も表示可能です。
MP3の音楽ファイルを再生しているところ。
本体左右に細長い穴があり、そこから音が出ます。
なかなか良い音を出していましたよ。
音割れもありませんでした。
一番の問題は、音楽ファイルと云う大容量をどうやってM1000で扱うかですね。
TransFlashと云う、まだマイナーなメディアを使っているのがネック。
1G単位の奴はまだ存在していないでしょうし、あっても高額でしょう。
ポータブルプレーヤー代わりには、ちょっと無理があるかも。
音が良いだけに残念です。
動画再生も可能。
建物の周りをカメラがグルグルと撮影しているシーンを見ました。
サンプルのせいでしょうが、それほど驚く画質ではありません。
今時の携帯電話でも、こういう事って出来ますからね。
動画をPCで作成する際、どの程度の画質ならば、スムーズな再生が出来るかを公開して欲しいところです。
動画は音楽よりも更に容量を喰いますから、やはりM1000でフル活用は厳しいかも。
ウィルス対策としてウィルススキャンも可能です。
本体だけでネットに接続可能なので、最新データへの更新が簡単なのは良いですね。
クレードルに乗せたところ。
このクレードルはかなり巨大です。
M1000の設置角度を変える事が可能。
クレードルの後ろの下の方に、パソコンと接続するケーブルを刺す部分があります。
クレードルが無くても、本体下部のコネクタにケーブルを刺して、パソコンと接続可能。
厚さが1センチ以上はある分厚い取扱説明書。
これを読破するのは大変ですね。
総論です。
ドコモはM1000のようなタイプを初めてリリースする訳ですが、非常に完成度は高いと思います。
元々、ノキアにベースとなるものがあったせいもあるのでしょうけれどね。
使っていて思ったのですが、これはドコモさんがアナウンスしている通り、「ビジネス用」だと思います。
そして私が予想するに、ノーマルのまま購入・手にする人は殆どいないと思います。
そういうのは、一部のPDAマニアだけでしょう。
生命保険のオバちゃんが、保険に関する計算等に特化したザウルスや携帯態端末を使用しているのを見た事がありますか?
M1000と云うのはそんな風に、ビジネスで使用する為のベースとなるモデルなのだと思います。
つまり、素うどん。
そのベースになる本体を会社の業務内容に合わせて、インストールするアプリを変更したり、一部の部品を改良したりすると思います。
もし生命保険のオバちゃんが使用する携帯端末として使うのならば、ブラウザは一般的なサイトにはアクセス不能にして、お客様へ提案する為の資料をダウンロードできるサーバーのみに接続可能にして、計算書・商品説明などのPDFファイルを閲覧するのはどうでしょうか?
単体でネットに接続できる端末なので、いつでも最新の情報を入手可能です。
さすがにお客様へプレゼン出来るほどの巨大な画面ではありませんから、あくまで営業をする人の資料閲覧、計算用としてならば有効かと。
また、そういう用途が限定されるのならば、音楽・動画再生なんかのソフトはオミットされるでしょうね。
そんな感じに、使用する会社ごとに、ドコモはM1000をカスタマイズして提供するのではないでしょうか?
ビジネスに特化するのならば、カメラに接写機能を設け、QRコードを読み取る事が出来れば良かったんですけれどね(元のA1000が出来ないせいなのでしょうが)。
そうすれば、運送・流通・小売業なんかで、荷物・商品管理、追跡調査が出来たんですけれどね。
運送屋の人が携帯端末を使って、その場で荷物のデータ登録をしているところを見た事がありますか?
あんな風にM1000を使用して、荷物に貼ってある2次元バーコードやQRコードを読み取り、わざわざ事務所に帰ってから端末登録せずとも、その場で荷物情報を登録して、会社のサーバーへデータ送信が可能になりますよね。
運送・流通業界で使用している、そのような携帯端末には、ドコモのDoPaチップが内蔵されています。
そのDoPaチップによってシングルパケット通信が可能となります。
DoPaによるパケット通信は、パケット料金が安いし、山岳地帯やトンネルの多い場所でも通信が割りと可能なんですよね。
M1000はFOMAですから、そういう局地的な場所では通信が出来ないかもしれません。
その代わり、通信さえ可能ならば高速で大容量のデータ通信が可能となります。
DoPaチップを使った携帯端末をユーザー(法人)に売ったり、システム開発するのは、あくまで携帯端末を作っている会社でした。
例えば、松下とか日立など。
ドコモはDoPaチップの供給をし、月々の使用料金を請求するだけでした。
けれど、M1000を使ったビジネス展開の場合は変わってくると思います。
なにせ、端末そのものも自前ですし、通信網も自前ですから。
ソフト開発などはソフトメーカーに委託する事はあっても、ユーザーとのやりとりはドコモがやる事になります。
今までのサポート的なユーザーとの接し方から、もっと積極的な営業が可能となります。
ドコモは法人向けの提案を今までもやってきました。
個人ユーザーには分からない、目立たないものですので、あまり知られていないでしょうけれどね。
M1000の登場は、ドコモが「ただの携帯電話屋」では無い事のアピールを出来るチャンスだと思います。
その分、ドコモの法人部門の仕事も大変になるでしょう。
しかし、通常の携帯電話の売上に頭打ち感がある昨今、こういう法人相手のビジネス展開は、非常に良いことだと思います。
法人相手だと、購入してくれる端末の数、システム全体の製作金額は、物凄いことになりますからね。
ドコモさんには期待をしています!
Posted by kanzaki at 2005年05月26日 21:02 | トラックバック (0)日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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