2007年01月17日

暗黒物質とは

今年に入って早々、「暗黒物質を初観測」という天文学上の重大ニュースがありました。

YOMIURI ONLINE
●暗黒物質を初観測、ナゾの質量分布特定…日米欧チーム
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070108i401.htm

●暗黒物質 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%97%E9%BB%92%E7%89%A9%E8%B3%AA

簡単に云いますと、通常の物質は見えるけれど、暗黒物質は見えないのです。
見えないものが見えちゃったんだからニュースになったと。
しかし未だにその正体は分かっていないのです。
ひょっとしたら、未知の素粒子なのかも。

通常の物質も暗黒物質も重力に反応するので、以前からその量を測定は出来ていたそうです。
暗黒物質は、通常の物質の5倍以上も存在するそうです。
でも、見えないから、これまでは仮説の域だったのです。
それが今回、奥行き約80億光年、縦横が最長で約2・7億光年の距離に及ぶことが分かったのです。

暗黒物質は、「宇宙の骨」と呼ばれる事もあります。
その骨のまわりに通常の物質(星・銀河・惑星・生物など)が集まって、「構造」が出来上がるからです。
世の中の目に見えるものの中心(宇宙の骨)が、「暗黒」なんて云う単語のついた物質だと云うのが皮肉ですね。

人間は本来、目に見えない「悪」であり、その正体を隠すために、目に見える「善」を身にまとっているのかも・・・。
最近の事件や事故を見ますと、やはり人間は元々、「悪」なんじゃないかなあと思うときがあります。
天文学・宇宙論上から云うと、あながち間違っていないのでは。

自然だってそう。
綺麗な姿を見せる時もありますが、ひとたび牙をむくと、甚大なる被害となります。
今から12年前の1995年・午前5時46分、淡路島北淡町野島断層を震源とする阪神淡路大震災が発生しました。
他県の人からすれば「もう12年か」と思うでしょうが、実際に被害に遭い、今もその事で苦しんでいる人にとっては「まだ12年」なのです。

いつもならば、この時期、もう新潟市は雪で覆われていてもおかしくありません。
けれど今年は、殆ど降りませんね。
できれば今後も、雪なんて降って欲しくありません。
随分と昔、神ナナにて、雪に対する愚痴を書いていました。

●神崎のナナメ読み: 雪のある生活
http://kanzaki.sub.jp/archives/000153.html

除雪作業は大変です。 一日だけならば楽しいかもしれませんが、連日になると憂鬱になります。 けれどやらなければ生活が出来ません。 「自然と共存する」という言葉があります。 机に座ったエコロジストが使いたがる言葉。 けれど本当は、「自然との戦い」なんですよね。 自然は優しい顔をして、私達の心を和ませてくれるときもあります。 しかし、それだけではありません。 時には悪魔のような姿で私達に襲い掛かってきます。 そういう姿もしっかりと受け止め、怒りが収まるのを耐えて生き抜く。 本当のエコロジーというのは、「戦い」なんだと思います。

この記事を改めて読むと、自然の暗黒面の恐ろしさを再認識します。

そういや人間にとって、恐怖や不安と云うものが一番の敵かもしれません。
これらは目に見えないものだからです。
目に見えないからこそ、心の中でどんどんと拡大していくのです。

他人の心と云うものも、やはり怖い存在になりえてしまいます。
相手が自分をどう見ているのか?
それに対して不安を感じることも、日常でよくあることです。
匿名性の高いインターネットの掲示板では、普段だとオブラートに包まれた人の心が剥き出しになって書かれているので、ショックを受ける人もいることでしょう。
人の中心にある暗黒面を見てしまったのですから。

真実が悪だとしても、それに悲観するのでなく、暗黒物質が色々なものを吸い寄せるのならば、どんどん良いものを吸い寄せればいいのです。
それが経験・体験になり、人生を謳歌できるのですから。

Posted by kanzaki at 2007年01月17日 23:50