2011年02月04日

ビジネスに活かせる心理学〜「単純接触効果」

最近、心理学とかプロファイリングを取り扱った刑事ドラマが多いですよね。
私はその中で「ホンボシ」を観ています。

●テレビ朝日|木曜ミステリー ホンボシ 〜心理特捜事件簿〜
テレビ朝日系毎週木曜日20:00放送
http://www.tv-asahi.co.jp/honboshi/

ドラマ「相棒」と同じ東映製作。
これを観ようと思った理由は単純で、桐山漣さんが出演していたからです。

●桐山漣オフィシャルブログ「Renn's VISION」 Powered by アメブロ
http://ameblo.jp/renn-kiriyama

・桐山漣 プロフィール
http://www.hirata-office.jp/talent_profile/entertainment/renn_kiriyama.html

お分かりの方も多いでしょうが、昨年8月まで放映していた「仮面ライダーW(ダブル)」の主人公を演じた人です(この作品も東映製作。あのAKB48の板野友美さんも出ています。さしこ? さしこは残念ながら出ていません)。
単なるイケメンではなく、演技がうまいです。
仮面ライダーの主演オーディションで選ばれた理由は、プロデューサーによると「一番仮面ライダーになりたいという気持ちが強かった」から。
劇中でも視聴者に「本当に好きなんだなあ」と思わせるだけの熱い演技をしていました。

「ホンボシ」は桐山さん目当てで観ているのは確かなのですが、ドラマそのものも、大人が楽しめる安定感があります。
また、桐山さんもそうですが、ゲスト等を観ても明らかに特撮ファンを意識した人選をしていますし。

主人公は船越英一郎さんが演じる桐島孝作。
元・心療内科医で、表情解読のスペシャリスト。
普段のひょうひょうとした行動とは裏腹に、相手の表情や仕草から、嘘を見破ります。
東映は、人気のある作品をシリーズ化する土壌があります。
桐山さん目当ての特撮ファンからしてみれば、是非、「ホンボシ」もシリーズ化して欲しいものです。

同じ特撮好きでも、桐山さんのようなイケメンの場合、華麗なるスターの道がありますが、私のようなブサメンの場合は、単なるキモヲタになってしまいますorz


※※※


心理学は犯罪捜査だけではなく、いろんな事に応用できます。
例えば、小さいお店・会社のマーケティングなどです。

月報「にいがたの現在(いま)・未来(あした)」を読みました。
そこに「単純接触効果」についての解説がありました。
「単純接触効果」とは、「繰り返しによる出会いが相手に対する好意度を増す」というものです。

心理学者R・J・モアランドとR・B・ザイアンヌが1982年に、こんな実験を行いました。


・女子学生をA、Bという二つのグループに分ける。

・Aグループには一週間に一回ずつ、四週にわたって同じ男子学生の写真を見せつづける。毎週その男子学生に対する好意度を調べる。

・Bグループには一週間に一回ずつ、四週間、毎週違う男子学生の写真を見せる。毎週その男子学生に対する好意度を調べる。

・実験の結果、同じ男子学生の写真を見続けたAグループの女子学生は、その写真の男性に対する好意度が毎週上がった。しかし、Bグループの女子学生は、写真の男性に対する好意度が殆ど変わらなかった。


上記の結果から、繰り返しの出会いは、相手の魅力や好意に影響を与えると考えらるようになったのです。
マーケティング的にも、「見込み客に対して7回から25回の接触機会を持たないと、見込み客は購買に至らない」という説があるそうです。

「接触」回数を増やし、「繰り返しによる出会い」を行う度に、お客様はあなたの会社やお店に対する好意度を増し、その結果としてモノやサービスを購入する確率が高まるということになります。

ビジネスでは、一回の広告宣伝、販促活動に予算を集中させるのではなく、同じ予算を使うならば、その予算で七回以上の接触を生み出すような計画をした方が有利となるのです。

「ビジネス」と「単純接触効果」の組み合わせをイメージすると、なんだか一流の大手企業だけの手法に思えますよね?
けれど、それは違います。
むしろ、町の中にある小さなお店の方が、フットワークが軽くて実践しやすいのです。

例えば、こんな例があります。


【スーパーの陳列棚の場合】
・とあるスーパーの陳列棚では、子供達の描いた塗り絵を掲示します。
近所に住む子供が店内に備え付けの線画に、色鉛筆やクレヨンで色を塗ったものを作品として店内に飾っているのです。
これは、お店とお客様の「接触」回数を増やす販促なのです。

・チラシ、DM、街の広報誌、店頭などで告知をします。
「子供の塗り絵コンテストを開催します。店内備え付けの線画が描かれた画用紙に、綺麗な色を塗ってご応募ください。審査のうえ、入賞者にはプレゼントをさしあげます」
これがお店とお客様の一回目の「接触」になります。

・告知を見たお母さんと子供がお店へ行き、応募用の線画の描かれた画用紙を入手します。
これが二回目の「接触」です。

・後日、お母さんと子供は、応募のために色を塗った用紙を持参してお店へやってきます。
これが三回目の「接触」です。

・応募された作品の展示期間。
お母さん・子供は、そのおじいちゃん・おばあちゃんと一緒に作品を見に来ます。
これが四回目の「接触」です。

・審査結果は後日、店頭で行われます。
審査結果を見にお母さんと子供が来店します。
これが五回目の「接触」です。

・審査の後、入選者には通知のDMが届きます。
「○○ちゃんの描いた塗り絵が入賞しました。おめでとうございます。素敵なプレゼントを用意していますので、このDMを持ってご来店ください」
これが六回目の「接触」です。

・入賞プレゼントを親子で受け取りに、再び来店します。
これが七回目の「接触」です。

以上のように、塗り絵キャンペーンという、ささやかな販促企画でも「接触」回数を増やすことが出来るのです。
このキャンペーンを節分、ひな祭り、母の日、父の日、敬老の日、クリスマス・・・と企画すれば、物凄い回数の接触になるのです。


【写真スタジオのカレンダー無料配布の場合】
・とある写真スタジオ。
ここでは、かわいい子猫を飼っています。
その子猫を撮影し、小さなカード型のカレンダーに加工し、店頭で無料配布しています。
その愛くるしい子猫のカレンダーを手に入れるため、近隣の親子が毎月お店にやってきます。

・このカード型カレンダー無料配布のミソは、一年分のカレンダー12枚を一度に配るのではなく、カレンダーを毎月一枚ずつ作成して配布している点です。

・毎月一枚ずつ配るので、お客様と毎月「接触」する仕組みが完成し、接触頻度と来店頻度を高めることに成功しているのです。


【税理士事務所のニュースレターの場合】
・とある税理士事務所は、ニュースレターを毎月発行しています。
毎号、所長の一言、スタッフのコメント、税に関する情報などが掲載されています。

・このニュースレターは、まだ顧問契約していない企業にも配布されています。
この税理士事務所は、誰でも参加できる経営セミナーを定期的に開催していますが、そこに参加した顧問先以外の会社やお店にもニュースレターを配布しています。
つまり、この税理士事務所は、このニュースレターを使い、毎月一回、見込み客に「接触」しているのです。

・・・・幾つか例をあげてみました。
どれも「接触」活動に成功している販促活動です。

人はよく知らない相手・会社・お店からは、モノやサービスを購入しにくいものです。
「接触」回数を増やす度に、お客様はあなたの会社やお店に好意度を増し、その結果としてモノやサービスを購入する確率が高まります。

「売る」前に、コストを抑えた営業・広告・販促活動で継続的に「接触」回数を増やすことができるのかを考えるのが良いのです。

知識をつけることは行動することのはじまりです。
そして、行動することは知識を完成させることに繋がります。
知っていても行動しない限り、それは知らないことと同じです。
今回のような得た知識を自社に応用し、行動を起こし、その結果を手に入れましょう。


※※※


「接触」を繰り返すと、相手に対する好意度があがるのはなんとなく分かります。
お店側は、お客様に満足していただく為、良い商品・サービスを用意します。
また、店内もお洒落だったり、オーナーがこだわりの空間を演出します。
しかし、拘ればこだわる程、お客側は店内に入りにくく感じます。
敷居が高さそうなお店になってしまうのです。

店内がどのようになっているのかが分かれば、入りにくさというものは和らぎます。
フリーアナウンサー・伊勢みずほさんも、そのような事を語られていましたね。

●神崎のナナメ読み: 2010 NIIGATAショップデザイン賞関連企画「魅力ある店づくりから始まるまちづくり」シンポジウム〜新潟のフリーアナウンサー伊勢みずほさんが考える店づくり、街づくり
http://kanzaki.sub.jp/archives/002261.html

「まちかど行ってみずほ」の放送後に視聴者の方から頻繁に言われたことは、「昔からあの店の前は、しょっちゅう通っているから、あるという事は知っていたんだけれど、お店の中がどうなっているのか、何を売っているのか、どれぐらいの値段なのか、どんな人がやっているのかが分からないから入れなかったのよ」という声をよく聞いていたんですね。それが、テレビやラジオ等で紹介することによって、「あっ、これならば私も行ってみたいわ」と思ってくださる人が沢山いらっしゃるわけですよ。みなさんも、どんなお店なのか分からないと入りにくいという事があると思うんですよね。お店の方々はみなさん、店の中に魅力的なものを用意し、それに自信があると思います。更に、外にも知ってもらう努力も必要なんじゃないかなと思っています。本で言えば序章をちょっと本屋で立ち読みして、これは面白そうだなあ、わくわくさせるなあと興味を持たせるような工夫が、お店にも必要なんじゃないかと。

「接触」を繰り返すには、まず最初の一歩が大切。
最初の一歩の為、ネット、テレビ、雑誌、クチコミ、店頭等で、どんなお店か知ってもらう機会が増えましたよね。
その為の工夫をしなければいけない事や方法等は知られていますが、何回も繰り返して「接触」してもらう工夫・方法というものは、案外知られていないものです。
商品・サービスが良いければ何度も通ってくれるとは限らないのです(特に、近隣の他店でも、似た商品・サービスを取り扱っている場合)。
何度も通ってもらえる工夫をするには、「マーケティング」と大袈裟に考えるより、もっとパーソナルな心理学を応用した方が効果があるように思います(特に小さなお店・会社の場合)。

会社やお店でなくても、例えばブログなどもそうですよね。
ブログは更新しやすいのが特徴。
その為、毎日更新することも可能です。
毎日、新しい記事・日記が書かれていると嬉しいものでして、毎日、そのブログにアクセスしたくなります。
例え、その日の記事・日記が些細な内容だったとしても、それはそれで親近感が沸いたりするものです。
そうこうしている内に、そのブログや管理人のファンが増えていきます。

日本だとブログは、ネット上で書く日記と思われているようですが、海外・・・特に黎明期では「個人が発信するニュースメディア」という側面がありました。
神ナナはどちらかというと、硬派なニュースサイトを目指しているつもりだったのですが、意識していないと「笑って踊れるアングラサイト」になってしまうorz
まあ、それはそれで良いのですけれどね。

仕事を通じて社会と接点を持つのも良いのだけれど、この歳になってくると、それに不安を感じたりします。
定年退職した後、社会との接点がなくなるからです。
だから、仕事とは全く切り離した場所で活動する為、このサイトをやっているとも言えます。
9年もやっているせいか、このサイトのお陰で、色んな人達と接点が出来ました。
単純に仕事だけの生活をしていたら、絶対に出会わなかった人も多いです。
だから、今後もこのサイトを大切にしたいと思います。

マニアックなネタとかヲタネタとかを書くことも多いですが、他の人のブログとは全く違ったアプローチで、少しでも読んだ方の役に立つような事も書いていきますので、今後も「接触」をよろしくお願いします。

Posted by kanzaki at 2011年02月04日 23:35