2011年02月17日

雪国・新潟県の男子高校生・女子高校生は、冬でもコートを着ません

少し前、地元の新聞紙に、「新潟の高校生 なぜコート着ない?」という記事がありました。
確かに通勤途中にすれ違う学生達を見ますと、コート等の類は着ずに、マフラーだけの子が殆どです。
女の子の何割かはコート等の防寒具を着ているけれど、男の子でコートを着ているのは、ほぼ皆無です。

新潟県の女子高生の制服のスカートの短さは日本一です。
確か、東京より5センチ短いと言われた事もあったけれど、今は県外どこの地域でもそうなんじゃないですかね?
スカートの丈は、雪が降っても変わりません。
寒さより、可愛さ重視です。

そういや私自身、高校生の頃はコートも着ずに学生服だけで、雪道を自転車で登下校していました。
今も、コートは着ないですね。
せいぜい、フードの着いた薄手の服を一枚多く着るぐらいです。
自転車や徒歩で通勤しているから、動いているせいで寒くありません。
除雪作業をするにしても、これまた運動量が多いので、コートなんて着ていたら汗でビショビショになってしまいます(ポケットの中の携帯電話が、まるで水没したかのように濡れてしまいます)。
むしろ、その汗で風邪を引いてしまいますよ。

新聞記事に話しを戻しますと、高校生は制服にマフラーが圧倒的に多いとの事。
私が見かけるのは、やはり当たり前の光景なんですね。

学生服専門店の人によると「今の流行は軽装。彼らは普段着の流行を制服に取り込みます」と語ります。
コートは季節商品で値段が高く、在庫を抱えるとリスクが大きいのです。
男子向けコートは売れないから作らない。
作らないから売れないの悪循環。

選択肢が無いことと、服装への美意識が重なり、着ない風潮が広がっているのです。
また、コートを着た軟弱者だと思われないための男子特有の反骨心もあります。
女の子の場合、着膨れしてしまうと可愛くないと思う心理も働くのでしょう。
今は、ヒートテックのような発熱下着があるのも要因にあるでしょう。

新聞記事には、昔の学生は沢山着込んでいたと書いてあるけれど、40歳児の私ですら学生の時は厚着をしていませんでしたよ。
社会人になってスーツを着るようになり、年配の人を真似て一時はコートを着ていたけれど、それもやめました。

きっかけは、「マイカーを捨てたこと」です。
マイカーが無ければ、移動は自転車か徒歩です。
電車? バス? 公共機関の未発達な新潟では、それらはアテになりません。
そこへ貧乏なのが幸いして、自力で移動するようになりました。
自力で移動すれば、体のエネルギーを燃焼するから、外が寒くても体内は温かいです。
勿論、私の生活圏内が、新潟駅周辺という立地条件なのが前提にあるので、他の人には勧められませんが・・・。

マイカーを捨てて動くようになった今と学生時代では、移動手段が同じ事になりました。
便利なものに頼らないという環境下にあるから、今の私もコートを着ないのかもしれません。
年齢というより、生活環境(&運動量)が影響するのかも。

※※※

この前の「NIKKEIプラス1」にも、最近は厚着をしない人が多いと書いてありました。
東京などの首都圏でも、軽装が主流なんですね。
新潟のように雪が積もる地域ですら軽装なのだから、太平洋側ならば余裕でしょう。

記事によりますと、紳士用ジャケットは肩幅の標準が、この20年で約1割も縮まったそうです。
日本人は細身で痩せ型の体型になったので、細身の服の方が見栄えが良いのです。

そういや最近、ダウンジャケットも細身のシルエットですよね。
「薄軽ダウン」なんて呼ばれています。

国土交通省の調査によると、東京通勤圏に住む人達は、最寄りの駅の10分以内に住む人が66%だそうです。
また別の調査では、20歳〜39歳の人達は、外に出て移動する回数が20年前より1割近く減っているとか。
寒さに身をさらす時間が減ったのも厚手をしなくなった理由と「NIKKEIプラス1」には書かれていました。
うーむ、私は外を動く時間が増えたのに比例して、着るものが薄くなってきているのだが・・・。

ちなみに、寒い北海道でも、東京と服の売れ筋は変わらないらしい。
理由は、室内は暖房がしっかり効いていてるし、クルマ社会で雪の中を歩きまわらないからと新聞記事には書かれているけれど、それだと新潟の学生たちがコートを着ない事と矛盾するような・・・(新潟市内の子達は、公共機関を使わないで通学する子の方が多いです)。

厚手の洋服は脱ぐとかさばり、荷物になるので敬遠されがち。
けれど、カバンにしまいやすいマフラー、手袋などの小物の売れ行きは好調だそうで、これらは新潟の学生たちと同じ傾向ですね。

記事の後半では、「不安で先が見えない時代だからこそ、身辺を身軽にしておきたい」という気分が反映されているのではと書かれていました。
最近、よく耳にする「断捨離(だんしゃり)」が時代のキーワード。
これが消費者心理となり、ファッションにも反映されたと。
(博報堂の人の分析)

●神崎のナナメ読み: 「断捨離(だんしゃり)」とは?〜意味は、使わないモノを捨て、本当に必要なモノだけで快適な生活を取り戻すこと
http://kanzaki.sub.jp/archives/002231.html

「断捨離(だんしゃり)」という言葉があります。 ヨガの行法哲学・実践哲学である「断行、捨行、離行」から生まれた言葉。 使わないモノを捨て、本当に必要なモノだけに絞り込むことで快適な生活を取り戻す考え方、ノウハウを意味します。 「断」は入ってくる不要なものを断つこと。 「捨」は不要なものを捨てること。 「離」はモノへの執着から離れ、片付けから自由になること。

なるほど。
頭の良い人達はドヤ顔で、無理やりそういった方向に結論を結びつけますなあ。
けれど冒頭に書いたとおり、本当の理由は「男の子は、カッコつけたがり」だし、「女の子は、可愛く見られたい」という感情があるからです。
それは、社会人も同じです。

この感情がある限り、雪国である新潟の学生は、マフラーだけで防寒し続けるでしょう。
理由なんて、シンプルなのです。

Posted by kanzaki at 2011年02月17日 22:21