2011年10月14日

ブレーキなし自転車「ピスト」は危険です

最近、ブレーキなし自転車「ピスト」の問題が取り上げられています(地元新聞夕刊より)。

pist01.JPG
・ブレーキがありません。ギアが固定されて、タイヤとペダルの動きが連動しています。フレームは細くシンプル。ハンドルの形状は様々です。

●ノーブレーキピスト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%94%E3%82%B9%E3%83%88

ノーブレーキピスト(no brake pist)とは、ブレーキを両輪装備無しの状態、または片輪しか装備していない状態で公道にて使用されているトラックレーサーのことである。別称としてピストやピストバイクとも呼ばれる。ノーブレーキピストで日本国内の公道を走ることは、公道を走る際の必須装備を備えていないため道路交通法違反となる。


1970年代以降、ニューヨークなどで書類を配達する「メッセンジャー」が使用するようになりました。
日本でもここ数年、シンプルさや頑丈さが受けて人気となっています。

しかし、ピストのようにブレーキが付いていない自転車は、公道を走ってはいけません。
違反すると、5万円以下の罰金です。

昨年、69歳の女性がピストにはねられ、後に死亡する事故が発生しました。
これを機に、警察は本格的な取り締まりを開始しました。
昨年は686件の摘発。
今年は8月末時点で既に、654件の摘発数となっています。

最近ですと、お笑い芸人「チュートリアル」の福田さんが、後輪ブレーキを外したピストを運転して摘発され、大きく取り上げられましたよね。

ピストはブレーキが無いので、ペダルの回転を無理やり抑えて止まる必要があります。
とっさに停止する事が出来ないんですね。

テレビにて、競輪選手がピストで停止する実験をしていたのですが、プロですら停止するのに長い距離を要します。
それだけ、人やクルマとの出会いがしらに、急停止できずに衝突してしまう可能性が高いのです。

ピストはギアが固定され、ペダルと後輪の回転が一致するのが特徴です。
その為、自分が操っている感じがするところに、魅力を感じている人もいます。

ブレーキがあると、ビジュアル的にダサいと思っている人もいます。

道交法上、ブレーキの無いピストは走れません。
ショップでは、前後輪にブレーキを付けた状態で販売しています。
しかし、購入後に自分で外す人が跡を絶ちません。

※※※

ここ最近、これだけテレビや新聞でヤリ玉にあげられていますので、そのうち公道でのピストは消えるのではないでしょうか。
「ピストはかっこいい」というイメージが崩れ去りつつあるからです。
イメージというのは大きいものでして、「暴走族を珍走団と呼ぼう!」と言われるように意識が変わった頃から、随分と数が減りました。

ピストに乗っている人は、「自分は事故を起こさない」と思っているのでしょうかね。
お酒を飲んでクルマを運転し、「自分は運転が上手だから事故を起こさない」と豪語しているのと同じです。

警察に摘発されたのは、ある意味、救いの手だと思います。
人をひいて殺人者になるのを未然に防いでくれたり、クルマに衝突され下半身不随で一生過ごすのを未然に防いでくれたようなものですから。

ここ数年、積極的に自転車に乗る人が増えました。
エコとか健康志向とか、良いイメージの為です。
利用者数が増えれば、今回みたいな問題も時折出てくるものです。
日本はまだ、自転車文化が発展途上ですから。

それに、自転車を安全に運転できるように整備がされていません。
少しずつですが、自転車専用レーンが増えてきていますが、それでもまだ一部です。
安全運転をするには、周りの環境だけでは不十分ですから、運転者自信が意識する必要があります。

取り締まりも強化されつつありますが、まだまだでしょう。
クルマのように免許制ではないし、何か教習があるわけでもない。
年齢を問わず、「チャリンコ」として使用されてきた「気軽な乗り物」でしたから。

いわゆる「ママチャリ」は、かなり必死にペダルを漕がなければ暴走運転も出来ないものでしたので、それほど摘発の類はありませんでした。
せいぜい、二人乗りとか、夜道での無灯火、傘差し運転あたりです。
勿論、それらも交通事故に繋がりますから、絶対にやってはいけません。

しかし、ピストに限らず、スポーツ用の自転車は、ママチャリの暴走とは次元が違います。
40kmを平気で出せる性能を持っています。
交通事故の危険性を考えず、ファッション・スポーツとして安易に乗るのは危険です。

スポーツ用の自転車を本格的に運転している人の方が、事故に対して注意をしています。
その現われが、ヘルメットだったり、身に着けているもの等で分かります。

違反した自転車に乗ったり、事故に繋がる危険な運転は、全て心や意識の問題がスタート地点にあります。
そういった事が「かっこいい」と思われているのも事実。
色んな形で啓蒙していき、「そういうのは、かっこ悪いんだよ」と全ての人が思えるようになってほしいですね。


※※※

今朝、久々にロードバイクで通勤しました。
夜、帰ろうと会社を出たら雨でした。

常に、更衣室のロッカーに入れてある傘をさして、歩いて帰りました。
無理して雨の中を疾走するより、安全ですしね。

●関連記事: 自転車通勤をはじめる人へ神崎が言いたいこと
http://kanzaki.sub.jp/archives/001942.html

Posted by kanzaki at 2011年10月14日 20:51