2013年06月03日

ドトールコーヒーやスタバなどのカフェチェーンが店舗改装を急ピッチで進めています〜長居客を味方につけて客単価アップ

coffeerenew.JPG


カフェチェーン各社が店舗改装を急ピッチで進めています(日経より)。


ドトールコーヒーは、5年後をめどに、全店の居心地を良くした新タイプの店に切り替えます。


スターバックスコーヒージャパンは、2013年度に全体の3分の1を改装します。


都心部では店舗の増加で飽和感が高まっています。
コンビニエンスストアなど異業種との競争も激化しています。
その為、集客増を狙った投資が活発になってきました。



【ドトールの改装内容】


ドトールの新型店は、座り心地の良い柔らかいソファを増やします。
また、通路を広くしてゆったりできる環境を整えます。
壁をガラス張りにして広く感じられるようにもします。
店内に間仕切りを設けて、喫煙席を密閉するなど分煙対策も徹底します。
調理器具も見なおして、厨房スペースを小型化することで、座席数は出来る限り維持します。


「ドトールコーヒーショップ」は約1100店舗あります。
このうち200店舗で改装を行ったところ、集客効果がありました。
その為、2014年2月期に約15億円を投じて100店を改装し、来期から残り約800店を改装します。


改装効果により来店の滞在時間が延びて回転率が落ちます。
その分、客単価を引き上げます。


平均客単価は約350円です。
今後は、コーヒーと食べ物をセットにした高価格メニュー(500円前後)を積極的に投入します。
一連の施策で、5%売り上げ増を狙っています。



【スタバの改装内容】


スターバックスコーヒージャパンは2014年3月期に、前期比2割増しの約300店を改装します。
投資額は約40億円です。
これは、新規出店費の2倍に相当します。
古い店だけではなく、開業後わずか1、2年足らずの店も積極的に改装します。
オフィス街を中心に、パソコン用の電源を備えた1人がけ席を多く用意します。



カフェチェーン大手4業態の店舗数は3000店。
都心部を中心に飽和状態です。
更にそこへコンビニ大手5社が、いれたてコーヒーを導入(今年度末迄に3万7千店)。
来春には消費税がアップして、外食離れも懸念されます。
そこで改装して、顧客の囲い込みを進めているのです。


※※※


【喫茶店の滞在時間】


こんな調査がありました。


「コーヒー1杯の注文で喫茶店にいてもいい時間の目安はどれくらいだと思いますか?」

・30分未満:12.0%
・30分〜1時間未満:53.9%
・1時間〜2時間:27.0%
・2時間〜4時間:3.9%
・4時間〜6時間:0.3%
・6時間以上:0.2%
・どれだけ長くてもいい:2.6%

(リサーチパネル調べ、14万8037人が対象)

●RPデイリサーチ - コーヒー1杯の注文で喫茶店にいてもいい時間の目安はどれくらいだと思いますか? - アンケート回答ページ | リサーチパネルモニターサイト
http://research-panel.jp/rpdr/view.php?eid=254295


1時間未満が約7割りという回答結果でした。
男女別では、「1時間〜2時間」という回答が男性:22.5%、女性:32.1%でした。
どちらかというと女性のほうが、長居するようです。


パソコンを持ち込んで仕事をしているノマドワーカーの姿を良く見かけます。
学生は仲間同士で勉強をしています。
節度さえ守ってくれれば構いません。
地方だと、そういった事が出来る場所も限られていますから。


カフェチェーン各社も、そういった用途で使われる事をむしろ肯定しています。
肯定した上で、そういった人達から今まで以上に料金をいただく工夫をしています。
確かに、長居客を追い出すよりも、味方につける方が賢いのかもしれませんね。



●関連記事: セブンイレブンのセルフ式ドリップコーヒー「SEVEN CAFÉ(セブンカフェ)」が好調です〜累計販売数5000万杯。目標の4割増
http://kanzaki.sub.jp/archives/002901.html

Posted by kanzaki at 2013年06月03日 23:13