【給食で「牛乳中止」】
新潟県三条市では、小中学校の給食メニューから牛乳の提供を中止します。
今年12月から4ヶ月間、試験的に行います。
三条市教育委員会が決定し、3月に報じられて以来、全国ニュースでも取り上げられています。
三条市では、2008年度から「完全米飯給食」を実施しています。
その為、「米に牛乳は合わない」というのが理由です。
また、消費税増税で食材コストがかさむのも理由です。
生産者団体「北陸酪農業協同組合連合会」は、「牛乳に含まれるカルシウムは、骨格系生に欠かせないのに!」と驚いています。
新潟県内では、乳牛メーカー6社が供給しています。
2014年度は、768校、約20万人分を供給しています。
牛乳1パック(200ミリリットル)には、カルシウム約220ミリグラムが含まれています。
これは、小学生1日あたりの必要量の3〜4割となります。
※
1970年代、給食に牛乳が広まったのですが、パン食が主流だった為、相性も良かったです。
その後、米あまりの影響もあり、米飯給食が広まりはじめました。
すると、ご飯と牛乳の組み合わせに、違和感を持つ人が増えました。
三条市は、米飯と牛乳の相性を考え、牛乳を休み時間に飲ませるなど工夫しましたが、時間や手間がかかり定着しませんでした。
牛乳中止に踏み切るキッカケは、消費税増税です。
小学校の給食費は、1食あたり250円です。
増税で年に約1400円の負担増になります。
牛乳は1食あたり約50円。
4ヶ月の中止で、約3000円浮く計算になります。
残りは、食材費の高騰や、栄養の補給分に充てます。
※
市外を中心に30件の意見が寄せられました。
29件が市外からで、22件が賛成意見でした。
反対意見は、「牛乳と米飯は合う」「成長期の子供に牛乳は不可欠」など7件でした。
市内からの1件は、9歳の子供からで、「牛乳が好きなのでやめないでほしい」というものでした。
※※※
【カルシウムは牛乳では摂れない】
カルシウムは骨だけではなく、体内の60兆個の細胞を動かすのに必要です。
筋肉を動かしたり、物を見たり、情報を伝達するのにも必要です。
人間の体を動かすバッテリーといわれています。
カルシウムを摂るといいますと、牛乳を連想します。
けれど、殆んどの日本人は、牛乳からカルシウムを摂ることが出来ないそうです。
牛乳のカルシウムは乳糖の中に含まれており、乳糖が分解されないと、カルシウムを体内に取り込むことができません。
日本人の約85%は、乳糖を分解するための「ラクターゼ」という消化酵素を持っていません、
むしろ、牛乳をたくさん摂ると、カルシウム不足になります。
体内には生体恒常性(ホメオタシス)があって、血液内のカルシウム濃度は一定に保とうとします。
牛乳をたくさん飲むと、カルシウム濃度が上がります。
おしっことして体内から排出し、濃度を一定に保とうとします。
飲みすぎることで骨粗しょう症を招いているという、なんとも不思議な話しです。
カルシウムは、昔の日本人のように、魚介、海草類から摂るのが良いです。
干しエビ、煮干し、ひじきなどです。
※
【本当に牛乳って必要?】
学校給食に牛乳が取り入れられた昭和33年以降、アレルギーやアトピー、ぜんそくが急に増えたともいわれています。
牛乳は子牛に飲ませるもので、人間が飲むものではありません。
子牛には必要不可欠な栄養であっても、人間にとってはタンパク質の種類が異なるため、うまく消化することができないのです。
その結果、異物として腸から吸収され、アトピーやアレルギーの原因になっているのです。
そもそも、日本で牛乳神話と昔の栄養学を持ち込んだのはマッカーサーです。
第二次世界大戦後、日本を占領した連合国軍の最高司令官です。
マッカーサーは、戦後の日本の食事を見て、当時のアメリカの栄養学ではありえないと嘆きました。
その為、「命の水」と信じられていた牛乳を学校給食に持ち込みました。
当時のアメリカは、余った牛乳を売るため、牛乳完全栄養素キャンペーンをしていました。
日本はいまだに、牛乳キャンペーンをしているのです。
なんだか、チョコを売るためにバレンタインデー、ケーキを売るためにクリスマスを大々的にアピールしているのに似ていますね。
●関連記事:カルシウムは体のバッテリー〜なぜか牛乳を飲み過ぎるとカルシウム不足になります
http://kanzaki.sub.jp/archives/003076.html
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