2015年07月10日

オタク世代の終活とは?〜遺族にパソコン内の「恥ずかしい」コレクションを見られる悲劇(喜劇?)を避ける方法。「IT終活」は大変です

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今週の日経に、「オタク世代の終活とは」というコラムの短期連載がありました(本日で終了)。


特に注目したのが、「古いパソコンの処分」や「ネット上の情報の整理」についてです。
オタクにとって、もの凄く重要で深刻な内容です。


老いを迎えるにあたり、これら「IT終活」というものは、かなり手間がかかるものだと、コラムで書かれていました。



【古いパソコンの処分】


・パソコンは粗大ごみには出せない。


・基本的には、リサイクルのため、回収してもらうのがルール。


・メーカーに古いパソコンを引き取ってもらうには、数千円かかる場合がある。
しかし、パソコンの中に入っているデータなどは、専用ソフトなどを使い、自分で消去をしなくてはいけない。
メーカーは、情報漏洩には責任を持たないというスタンスだ。


・ある大手メーカーの場合、渡す前に「出荷時に戻す」のが回収の条件。
増設メモリすら外せと求めている。


・大手リサイクル店では、ブラウン管のパソコンは引き取り対象外となっている。



【ネット上の情報の整理】


・パソコンの中の記録と同じぐらい重要なのが、ネット上の情報。


・フェイスブックなどのSNS、ブログ、ネット銀行の取引、有料&無料の電子メールなど。


・他にも通常、グーグルのアカウント情報、アマゾンなどの通販、チケット販売、ポイント会員など、ネット上でIDとパスワードを登録したサービスを数えてみると、もの凄い数になるはずだ。
それに加え、公共料金やインフラ、クレジットカードなども、すべて番号で管理されている。


・5年前に「オタクの逝き方」という本が出版された。

本書は、いわゆる“オタク層”と呼ばれる人々が、突然の死に見舞われた場合を想定したハウトゥー本。 遺族に「恥ずかしい」コレクションを見られてしまったり、価値の高いコレクションをゴミ同然に捨てられてしまったりといった“悲劇”を未然に防ぐための整理方法や、遺言の作成方法を教えてくれる一冊だ。


●Amazon.co.jp: オタクの逝き方_ 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4896107683/

●孤独死したオタクの友人の「遺品」を、無理解な世間から守る方法 - エキレビ!
http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20101102/E1288621923754.html

●突然の死に備える「オタクの逝き方」、さまざまな“オタク層”を想定。 _ Narinari.com
http://www.narinari.com/Nd/20101014409.html


上記の本に、以下の助言がされている。


(1)IDとパスワードの一覧表をエクセルで作る。

(2)USBメモリーに入れる。

(3)どこかに保管し、遺言書で場所を指示。


しかし、パスワードを更新するごとに書き換えるのか?
今のエクセルやUSBの規格が、いつまで互換性をもつのかにも疑問が残る。


※※※


【自分なりのIT終活】


多くの人が、
「自分の心臓の鼓動がゼロになったら、遠隔操作で、自動的にパソコンの中のデータを消去するプログラムが欲しい」
と願っています。
特に、エロ関係とか、エロ関係とか、エロ関係とか・・・。


遺族がいようがいまいが、パソコンやスマホなどを使い、一人で多くの情報を抱え込んでいます。
死んだあと、それらのデータはどうなるのでしょう。
身辺整理をするにあたり、これらの情報をすべて把握するだけでも大変です。


「オタクの逝き方」では、個人情報をエクセルで整理して、USBメモリーで保管するとの事。
しかし今となっては、方法としては古いですね。
上記にあるとおり、パスワードの変更などがあった場合、その情報の更新作業が面倒です。
どんどん、新規情報も増えていきますしね。


今なら、「エバーノート」のような、ノートを取るように情報を蓄積するウェブサービスが最適なんでしょうね。
これなら更新作業も楽だし、どんどん新しい情報を蓄積できます。


●大切な仕事のためのワークスペース | Evernote
https://evernote.com/


また、画像や動画などを含むファイルは、「ドロップボックス」のようなウェブサービスにて、オンライン上で保管するのも良いと思います。
ネット上に、パソコンの「マイドキュメント」フォルダがあるような感じです。


●Dropbox.com - ドロップボックス<公式>
https://www.dropbox.com/


両者とも、ネット上で保管・管理する為、人の手にゆだねることに抵抗がある人もいるでしょう。
しかも、快適なサービス、大容量のサービスを受けるには、それなりの金額を支払わなければいけません。
私は共に抵抗が無いので、対価を支払って、データを預けています。
両者のサービスを共に使っており、年間約1万5千円程度です。
私には、値段以上の有益さがあります。


案外、パソコンや外付けハードディスクは、故障により、中のデータが吹っ飛ぶ可能性が高いです。
また、東日本大震災のような事態が起こった際、手元のパソコンやネット環境を一瞬にして失うことだってあり得ます。
ウェブサービスを利用していれば、パソコンやスマホが故障しても、別の代替機ですぐに再開ができる可能性が高いです。


全てをウェブサービスにゆだねているわけではありませんが、失っては困るものは、この2つのサービスで守っています。
保管場所をまとめておくことは、自分にとっても、残される家族にとっても有益だと思いますよ。



パソコンも安くなり、消耗品扱いです。
自宅のメインPCは、それなりに大型で、それなりにハイスペックです。
写真の現像に使っているからです。


しかし、持ち歩くパソコンは、8インチのWindowsタブレットです。


●Lenovo Miix 2 8(8インチWindows8.1タブレット)のファーストレビュー〜2G、64GB、OfficeありのハイコストパフォーマンスPC。amazonにて20888円で人気ナンバー1モデル
http://kanzaki.sub.jp/archives/003258.html


スマホのテザリング機能を使って、このPCをネット接続すれば、「エバーノート」も「ドロップボックス」も利用が可能です。
スマホでも両サービスは使えますが、編集・加工などの作業は、やはりパソコンが上です。
このタブレットに、キーボードとマウスをつなげば、大抵のことは可能です。
ワードやエクセルなども、フル機能が使えますしね。


2、3年経ったらバッテリーもヘタってきているでしょう。
そうしたら、中のデータを消去した後、ソフトを使って、中のメモリにランダムな数字などを打ち込んで、完全消去します。
しょせん、手のひらサイズのパソコンなので、処分もラクです。


よく考えてみれば、自分の作業環境(PC、ウェブサービス)も、ずいぶんとスマートになったものだなあと思います。



【関連記事】

●オタク世代の終活とは?〜まず、モノを捨てること。整理ではない。捨てること
http://kanzaki.sub.jp/archives/003381.html

Posted by kanzaki at 2015年07月10日 23:56