2016年02月17日

「感情的にならない本」を読んで〜この本の趣旨である「気にしない」では根本的な解決はしない。日本にまん延する「自己責任」の風潮打破が必要

「感情的にならない本」という書籍が売れています。
現在37万部のベストセラーです。


●感情的にならない本 (WIDE SHINSHO203) (ワイド新書) (新講社ワイド新書) _ 和田 秀樹 _ 本 _ Amazon.co.jp.
http://www.amazon.co.jp/dp/4860814983/


家に本があったので読んでみました。
アマゾンのレビューにあるとおり、
「いかなる感情も長くは続かない。クヨクヨ気にせず、行動して忘れましょう。気を外に向けましょう」
というメッセージが書かれています。


一言で言えば、「気にしない」
残念ながら、そういう心になるための具体的な技術は書かれていません。


さらなるステップ、ノウハウを身に着けたければ、感情の中でもっともやっかいな「怒り」をコントロールする術を知った方が良いと思います。


それを「アンガーマネジメント」と言います。
下記に簡単にまとめてみたのでご一読ください。


●神崎のナナメ読み_ 「怒り」から抜け出す対処方法を身につけ、心を広くする体質改善法〜怒りをコントロールする技術「アンガーマネジメント」
http://kanzaki.sub.jp/archives/003274.html



最終的には、「嫌な思いをしない環境づくり」が必要です。
いや決して、引きこもって他人と関わらないということではありませんよ。


仕事で「嫌な思い」の筆頭は、自分ひとりで仕事を抱え込んでしまうことです。
いつまで経っても終わらないし、さらに仕事が追加されると、イライラしっぱなしです。
そういう時はやはり、適正な人へ仕事を振って、量を減らすしかありません。


そうしないと、例えば管理職の場合、本来の管理業務や大きなプロジェクトへ、がっつりと取り組めません。


最初は、仕事の依頼を伝えるのが、なかなか難しいですよね。
「頼んだことで、相手が嫌な思いをしたらどうしよう」とか。
相手の感情を先回りしてしまいます。


昨日も書きましたが、この日本では「自己責任」がまん延しています。
自分で自分のことは解決する。
他人には頼らない、頼れない。
ペナルティを受ける場合は、その人個人。
そういう空気があります。


案外、頼めば快く引き受けてくれるし、意思の疎通・交流ができるようになって、職場の空気が良くなるのですけれどね。


メディアと政治家のみなさんが「自己責任」を推しすぎました。
だから、「気にしないで」と言ってくれる本が売れるのだと思います。

Posted by kanzaki at 2016年02月17日 20:24