2019年07月12日

独学術〜難しい本は最初、眺めて、からかうように扱う。適当に読み始め、最終的には自分なりに考えてみる

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●前回の記事:独学術〜本を読む際は「辞書・辞典・地図」を用意しよう
http://kanzaki.sub.jp/archives/004358.html


●独学術 (ディスカヴァー携書) _ 白取 春彦 _本 _ 通販 _ Amazon
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この本の「「眺め読み」で書物に勝つ」という部分をご紹介します。


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●難解な本はまず眺める

難しい言葉ばかり、しかも分厚いページで気がめいりそうな高価な本。
まず、「眺め読み」をするといい。
まともに読まず、しばらく眺めるのだ。
机の上や本棚に置かず、そのあたりに適当に放り投げておく。
ぞんざいに扱っていると、やがて部屋になじむ。
最初の違和感、敷丈高な感じ、威厳が薄れる。


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●からかうように本を扱う

そうしたら、食後に足を投げ出した格好で、ちょっと開いてみる。
まじめに読んだりしない。
からかうような感じで、ペラペラめくるだけにとどめる。
壊れない程度に邪険に扱う。
そうこうしているうちにこちらの恐怖がなくなる。
ソファに寝っ転がってページをいたずらにめくる。
数行を読み、また別のページをめくってみる。
こういうことをしていると、文章の息づかいがわかってくる。
要するに文章の癖だ。


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●適当に読み始める

最初の文章と最後の文章の感じが同じか、見比べてみる。
最初だけ意気がっていて最後はちょっと疲れている場合もある。
最初はだらだらしていて、最後のほうが力強い場合もある。
ここまですると、もはや本に最初の気位は失せてしまっている。
そうなったとき、読みやすい箇所からたらたらと読み始めるのである。
机の前でかしこまって読まない。
横着で、ついでという感じで適当に読む。


こんなことを数日間にわたって気が向いたときにやっていると、いつのまにか半分読んでしまっていることになる。
半分読めば、中身はだいたいわかるものだ。
そこで、巻末の解説を遊びがてら読めば、本文のあとの半分はもう簡単である。
難解だとされている書物のほとんどはこの眺め読みでなんとか征服できるものだ。


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●自分なりに考えてみる


そして、自分なりに考えてみる。
考えたとしても、誰から褒められるわけでは無い。
ただ、自分の脳に新しい広がりを与えるためにも、自分なりに考えてみるのだ。
本を読むだけなら、読書家にすぎない。
そういう人なら、ネットのブログとかで既にたくさんいる。
本を読んで考えるからこそ、独学となるのだ。


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●傍線を引きながら読む


本に傍線を引くとはいうが、本当は自分の脳に傍線を引いているのだ。
傍線を引くことによって印象付けられ、記憶に残る。


傍線を引く最大のコツは、「読んでから引く」である。


論がまとまっている節や章を読んでから引くのである。
こうすると、無駄な傍線を引くことが無い。


わざわざノートを取る必要もない。
何か気が付いたことをどこかに書き込む必要があれば、本のそのページに書き込めばいい。
本のページの余白は、書き込むためにある。
書き込みは完全な文章ではなく、メモや語句、用語程度にしておく。
そして、明確に書くこと。
あとで読み返したとき訳が分からなくなるから。


傍線を引くことで、ページにちょっとした模様が加わる。
それだけで視覚的に印象に残る。


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●本を買えなければ勉強はできない


傍線を引いて読むことで本当に本が読めるのだから、図書館の本では自分の勉強はできない。
パソコンの画面で読んでもなかなか記憶に残らない。
図書館は、絶版の本を探す場所。
もしくは、次に買う本の見本場。
必要な本がすぐに買えない環境にいることは独学には非常に不利。


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敷居を低くすることで抵抗感をなくし、本と戦うことなく読む秘策が書かれていました。
「7回読み」勉強法と、コンセプトは同じように思います。


●東大首席卒業の山口真由さんによる「日本一短い勉強法」【1】〜東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法
http://kanzaki.sub.jp/archives/003629.html


●「東大首席が教える超速「7回読み」勉強法 (PHP文庫) 」〜理解しようとせず、とにかくサラサラと速く。全体像→内容→細部の順番に意識を向け、それを徐々に鮮明にしていく
http://kanzaki.sub.jp/archives/004259.html


●「東大首席が教える超速「7回読み」勉強法 (PHP文庫) 」〜「外圧」=「外との約束事」で勉強の計画を立てるといい
http://kanzaki.sub.jp/archives/004260.html


難しいと思ったら抵抗感が出て、勉強ができなくなります。
そういう意味では、これは良い方法ですね。


欠点は、最終的に読む時間・勉強する時間はかなり長時間になることでしょうか。
資格とかの勉強には不利かもしれませんが、そもそも独学は「自己満足できれば、基本それで良し」だと思うので、これでいいんじゃないでしょうかね。

Posted by kanzaki at 2019年07月12日 22:02