2011年11月13日

伊勢みずほさんセミナー「まちかど行ってみずほ〜今こそふるさとに誇りを〜」【3】

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前回の続きです(今回が最後)。

●前回の記事: 伊勢みずほさんセミナー「まちかど行ってみずほ〜今こそふるさとに誇りを〜」【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002498.html

●話した項目
(1)自己紹介
(2)東日本大震災を経験して
(3)チャリティーTシャツ
http://kanzaki.sub.jp/archives/002497.html

(4)まちかど行ってみずほ・商店街の魅力
(5)路地連新潟
http://kanzaki.sub.jp/archives/002498.html

(6)ご当地B級グルメについて
(7)ふるさと愛は、家族愛
http://kanzaki.sub.jp/archives/002499.html

今回は話した項目のうち(6)〜(7)についての概要、
及びご本人の話された言葉をテキスト化して掲載します。

●(6)〜(7)の概要
全国各地でB級グルメによる町おこしが盛んです。
新潟や隣県では、どのような動きとPRをしているのかご紹介します。

新潟はコシヒカリ、魚、酒など、全国に有名なものがたくさんあります。
しかし、そのブランド意識にのっかってしまい、県外へ地元の良さをアピールする力が足りないです。
本県も貪欲に、地元の素材を掘り起こし、売り出さなければ取り残されてしまいます。

町おこしは人おこし。
「無いものねだり」ではなく、「あるもの探し」をしていこうという声があがっています。
奥ゆかしくなりすぎず、ふるさとの魅力をどんどん全国、世界に皆さんも発信していただきたいと思います。

最終的にこの地・ふるさとを守っていくのは新潟の皆様だけ。
このふるさと・土地を守っていくのは、ふるさと愛であります。
ふるさと愛は、家族愛に繋がっていくんじゃないかなあと、取材を通して、そして震災を通して感じました。


(以下、伊勢さんの講演をテキスト化したものです。
表示されていない場合、下記に「続きを読む」が表示されていますので、それをクリックしてください)

【ご当地B級グルメについて】

さあそして、「ふるさと」というテーマでお送りしていますが、町並みを大切にするのと同じように、ふるさとを大切にしたいという思いから、今、大ブームになっているのが「ご当地B級グルメ」です。

このB級グルメによる町おこしですね。
今、新潟の人がどんな動きをして頑張っているのか、そしてそれをどうすればもっと周知させることが出来て、町の潤いに繋がっていくのか。
私が取材して来た中から、ちょっとお話しさせていただきたいと思います。

私。10年間アナウンサーの仕事を新潟でやってきているんですが、ニュースを読むという仕事は1割で、9割は食べる仕事でした。
こんなにありがたい仕事はないなと思うのですけれども、本当に幸せなアナウンサーだと思っています。

去年、おととしぐらいから、「食での町おこし」を集中的に取材させていただきました。
つい先日も月岡で、「国際ご当地グルメグランプリ」というのが開かれましたね。

●国際ご当地グルメグランプリ in 月岡温泉
http://www.niigata-gotouchi.com/index.html

皆さん、行かれた方いらっしゃいますか?
ああ、いらっしゃいますね。
新潟の食を大勢の方が楽しみました。
あそこで一位に輝いたのが、柏崎市の「鯛茶漬け」です。

●柏崎のうんめぇもん 鯛茶漬け - 特集
http://www.tabinavi-kashiwazaki.com/special/folder49/

第二位が、新発田市「アスパラみどりカレー」。

●新発田のアスパラガスはすごい! [アスパラみどりカレー]|新発田市食の循環によるまちづくり|新潟県新発田市
http://www.syoku-jyunkan.jp/eat/aspa_curry.html

そして三位が、「糸魚川ブラック焼きそば」。

●糸魚川ブラック焼きそば/糸魚川市
http://www.city.itoigawa.lg.jp/dd.aspx?menuid=4880

その他、古町でも「どんどん丼グランプリ」というイベントがあったり、まもなく11月には「うまさぎっしり博」がありますね。

●新潟の「うまい」を再発見!うまさぎっしり博(2011年11月26日・27日開催)
http://www.umahaku.com/index.html

ここで私は、「さかなクン」とトークショーをやりますので、もし良かったら遊びに来てください。
26日の方でやりますので。

あとは、「B-1グランプリ」というものも大きくありますね。

●第6回B級ご当地グルメの祭典!B-1グランプリinHIMEJI この秋は姫路でB-1!(2011年11月12日・13日開催)
http://www.b1-himeji.jp/

東京ラーメンショーに、食の博覧会、全国ご当地どんぶり選手権。

あと、弥彦の「パンダ焼き」をご存知ですか?

●弥彦村・分水堂菓子舗の「パンダ焼き弥彦むすめ餡」が日本全国ご当地おやつランキングでグランプリ、日本一のおやつに輝く (2010.11.30)
http://www.kenoh.com/2010/11/30panda.html

たい焼きのパンダちゃんバージョンです。
あれは「ご当地おやつランキング」で全国で一位に輝いています。
それによって弥彦は潤っています。
凄く小さいお店なんです、パンダ焼きのお店って。
おばあちゃんが一人でやっていたんですが、今はパートさんを二人雇って、大行列なんですね。
それによって、弥彦の温泉街も潤っていると聞いていますけども。

こんな風に食でのイベントが全国で、どんどん集客率をアップして、注目度を増しています。
間違いなく、これらの火付け役になっているのが、先ほど申しました「B-1グランプリ」なんです。

今週末((2011年11月12日・13日)、B-1グランプリが姫路で開催されます。
私も、「水曜見ナイト」の取材で行きますので、是非後ほど番組で放送しますので、みなさん楽しみにしていてください。

4、5年前ぐらいから話題になりつつあったB級グルメという言葉。
ようやくここにきて、経済効果が認められ始めてきたんです。
経済波及効果。

とにかくB-1グランプリの後というのは、テレビやラジオ、ワイドショー、ゴールデンタイムのバラエティー、NHKのドキュメント、解説番組、露出の数といったら凄かったですよね。
今年もおそらく11月、来週以降、凄いことになるんじゃないかなと思っているんですが。

それも当然のことで。
B-1グランプリに優勝すると、その経済波及効果が物凄い。
例えば、以前優勝した「富士宮やきそば」。
静岡県の富士宮ですね。
一食、200円か300円で販売していくんですが、それが10年間での経済波及効果、どれぐらいだと思いますか?
なんと450億円の効果をあげてしまった。
凄いですよね。
これはやっぱり面白いことですし、たくさんの人が興味を持って当然だと思います。
一食数百円のものが450億円。

私たちの番組でもご意見番として出ていただいている田村教授(田村秀・新潟大学法学部教授)が、こんな事を新聞に書かれていました。

「町おこしは昔から行われてきたが、地域にもともとあるもので勝負しようという傾向が出てきた。
それが食だ。
一度きたら終わりという観光客向けの商品や、店だけで盛り上げるのは続かない。
地域の人に愛されてこそ、持続可能になる。
まずは地元の人が、地域の食を含めた文化を再確認・再発見し、地域全体で盛り上げることが大切」

・・・と書かれていました。
新潟にも、美味しい美味しいA級グルメがたくさんあるのですが、それもPRの仕方をB級グルメから学ぶことがたくさんあると思います。
B-1グランプリ、ご存知だと思うのですが、念のため簡単にご紹介します。
B級グルメとは「安くて、美味しくて、そして地元の人達に愛されている地域の名物料理や郷土料理のこと」を呼んでいます。
だから、味がB級とかいうのは、もはや無くなっているのですね。

そのB級グルメの日本一を決めようというのが、B-1グランプリです。
元々は、6年前に青森の人がはじめたユニークなイベントでした。
去年、厚木で開催された第5回の出店数は、過去最大の46団体。
残念ながら新潟からは1店も出店されていません。
残念です。
この46団体が、わが町の自慢の味をできるだけ沢山の人に食べてもらって、その数を競います。
食べた人達が割り箸をボックスに入れるんですね。

そして、その数を競う。
一番多かったところがグランプリに輝きます。

関東での開催は去年がはじめてだったんですが、集客は、たった二日間で43万5000人です。
なんか想像がつかないですよね。
43万5000人が、厚木市内にあふれかえるのですから、イベント開催地での経済波及効果も想像に難しくありません。
そして、グランプリに輝こうものならば、一夜にしてその名は全国に知れ渡り、次の日からお客さんがドッと地元に流れてきます。
マスコミもやってきます。
このイベントに参加した人達は、殆どの人が「人生が変わった」と真面目な顔で言うんですね。
「B-1ドリーム」があるんです。

実際、私も去年、この厚木でのB-1グランプリを取材してきました。
その熱気を観て下さった方もいらっしゃるかもしれませんが、町おこしの観点から観ていただきたいと思います。

今度は、7、8分ぐらいのVTRでしょうか。
お願いします。

(厚木で開催されたB-1グランプリの番組取材模様を上映)

はい、ありがとうございました。
こんなイベントが、毎年行われていて、今年も行われるのですが。
私、行ってみて、とにかく圧倒されました。

表彰式に来ていたマスメディアの数は100社以上でした。
ズラーっとカメラが並んでいて、あれだけの台数のカメラを見ることは無いんじゃないかなと思うぐらい。
皆さんですね、他県とはいえ共感したのは、「背水の陣」であそこに来ているんですよ。
切羽詰った感覚でブースを出して料理を作っているんですね。
「食べていってくださーい。うちのが日本一美味しいですよー!」
危機感を感じました。
「俺らの町は、どうにかしないと終わりなんだ」ぐらいの勢いで来ているんですね。

ですからB-1グランプリというのは「食の祭典」ではなくて、地域おこしの祭典、わが町自慢の祭典だったんですね。
私たちも行くまでは全く分かりませんでした。
取材をしてみて、そんな風に感じました。

(取材した、「富士宮やきそば」のチームの)焼きそば(の帽子)を被っていたおじさんに買わされた・・・買わされたなんて言っちゃいけませんね。
本があるんですけれども。
第一回、第二回と連覇してきた富士宮やきそば。
冒頭のところをちょっと読んでみますね。
富士宮やきそば学会の会長の方です。

「やきそば学会が設立されたのは西暦2000年。
私にとって人生の分岐点となった。
その分岐点から今年で10年が経つ。
この10年間で、富士宮市に戦後から存在する、市民にとって当たり前の食であった焼きそばが、一躍日本を代表するご当地グルメとなった。
それに伴い、私のライフスタイルも一変。
新聞、テレビ、ラジオに雑誌、マスコミに登場した回数は裕に500回を超え、各地での講演回数は1000回にもなった。
それほどまでに、富士宮やきそばは売れたのである。
それは一体何故なのか?
富士宮やきそばは、他の地域の焼きそばに比べて特徴があり、美味しいからなのか。
それならばもっと昔に有名になっているはずではないか。
知名度向上という現象は明らかに、富士宮やきそば学会誕生以降のことである」

と書かれているんですね。
私のリポートを気付いた方がいらっしゃるかもしれませんが、他県のものを食べた時は「美味しい」と一言も言っておりません。
新潟のものの方が絶対に美味しいです。
味は負けません。
ですが、PRというところで、まだまだ新潟、遅れをとっているんですね。
どんなところが潤ったとか、この本に書かれているのですが、焼きそばを出している食堂なんかは、売り上げが19億だったか儲かっています。
売り上げ増額が19億。
麺を売っているところも47億。
その他、キャベツ屋さん、肉かす屋さん、ソース屋さん、出汁屋さん、紅生姜屋さん等が売り上げをあげています。
羨ましいですよね。
新潟でも、なんとかこのブームにならないのかと思っているのですが。

イベントの開催地も潤っていまして、高速道路もその日は渋滞でした。
私は朝のJRで会場に向かったのですが、もうぎゅうぎゅうの満員で、停まる駅ごとに車掌さんが、「B-1グランプリの会場は厚木駅でございます」と得意げに言うんですね。
ずっとぎゅうぎゅうになって、みんな携帯電話を見ながら「シロコロ・ホルモン(厚木)、2時間待ちだって。昨日はあっちに並んだから、こっちに並ぼう」という話しをみんなしているんです。
B-1列車ですね。
JRさんも、かなり潤ったんじゃないかなと思います。

駅を出てからも町が人・人・人でですね。
とうやって整理したんだろうと思いました。
掃除とか、警備員さんとか、町の案内をする人とか、いっぱいいたんですよ。
それはどうしたのかと思ったらビックリ。
6000人、全てが町民ボランティアで動いていました。
学生さんだったり、商店街の人だったり、サラリーマンだったり。
ちなみに甲冑を被った人が(先ほどのVTRの中で)いましたね。
シロコロ・ホルモンの人。
「新潟、簡単に出られないから」と言ったあの方。
あの方はペンキ屋さんです。
あのおじさんが凄腕のリーダーでして、こんなことをおっしゃってました。

「お金なんてかけていないよ。だってないもん。
全部ボランティア。やる気のある人を集めただけ。
この時代、本当はね、お金じゃ何も動かない。
やっぱり、夢とか愛するもののために動くのよ。
この愛する自分達のふるさとを自分達の手でなんとかしたいという情熱だね」
とキザに言うんです。
ああ、かっこいいなあと思いました。

経済効果というのも凄いんでけれども、このB-1グランプリ、B級グルメが次々と生み出している良い効果というのは、地元への愛着や誇りを強く持つ人が、どんどん増えているという事じゃないかなと感じました。

青森の人も言っていたとおり、どんなところにもチャンスはあるという事が分かっています。
じゃあ、私たち新潟はどうなのか。
新潟も今、食での町おこしを一生懸命頑張っている地域がたくさんあります。
みなさん、思い浮かぶものありますか?

例えば、町おこしという観点から早く動き出したのが、三条のカレーラーメンだったと思います。
ここが先駆け的だったと思います。

カレーラーメンを食べたことがある人?
おっ、結構いらっしゃいますねえ。
美味しいですよねえ。
お店によって、いろんなバリエーションがあって、個性もあって。
カレーラーメンは、歌も作りました。

●三条「カレーラーメンの歌」 - YouTube

一回聴いたら忘れられないような歌なんですけれどね。
♪カレーラーメン、カレーラーメン、カレーラーメン♪っていう、ゆる〜い感じの歌なんですけれどもね。
ギター一本で地元の方が、作詞もして歌も作っています。
いち早くカレーラーメンマップも作ってまして。

●三条名物カレーラーメン食べ歩きマップ
http://www.curry-ramen.com/

マップはスタンプラリー形式になっていまして、30店舗でしたっけ。
30店舗全部食べたら、その年一年間は他のお店でも、50円か100円引きで食べられるという会員証がもらえます。
30杯も食べて、まだ食べるか〜! とも思ったんですけれども。
それぐらい、取り組みが面白いですよね。
ユニークな取り組みをしています。
三条の○○(よく聞こえなかった)の若手の方がラーメンのお店と一緒に頑張っていまして、PRしていました。
全国のイベントにも積極的に出店しています。
何か動きがあれば、私たちマスコミの方にも情報を流してくれています。

あとは同じように戦前・戦後からあるのが、お隣の「燕の背油ラーメン」ですね。

●燕三条系ラーメン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%95%E4%B8%89%E6%9D%A1%E7%B3%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3

職人さんの町、金物の町だからこそ生まれてきたふるさとの味だそうです。
職人さんの工場に持っていく出前文化なんですね。
出前を持っていく段階で冷めないように、背油でびっちりと蓋をしてあるんです。
麺もうどんと見まごう程の太さで、伸びないように出来ているんですね。
だから、見た目は全然湯気が立っていないんですが、麺をあげると湯気が物凄い立つ。
そんな雪国の職人さんがいる燕ならではで、伝わってきたのが燕の背油ラーメンです。

こういったウンチクがあるんですよ、ご当地グルメって。
それがまた面白いところでもあるのですが。
最近目立っているのが、糸魚川の「ブラック焼きそば」です。

●糸魚川ブラック焼きそば/糸魚川市
http://www.city.itoigawa.lg.jp/dd.aspx?menuid=4880

みなさん、これを食べたことがありますか?
あっ、あ〜。
それでは、知っているよという方?
あっ、みなさん、これ知名度があがっていますよね。

実は伊勢みずほはですね、糸魚川市からブラック焼きそばをPRする「ブラックチアリーダー」に任命されているので(笑)

●新潟県:【糸魚川】 アナウンサー・伊勢みずほさんを「ブラックチアリーダー」に任命しました!
http://www.pref.niigata.lg.jp/itoigawa_kikaku/1315429318522.html

あっ、拍手までいただいてありがとうございます(笑)
是非、食べてみてください。
「30過ぎてチアリーダーなんていいんですか?」と聞いたら「しょうがないからいいよ」と言われたんですけれどもね。
最初わたし、これをテレビで観た時、「え〜、ちょっと奇をてらいすぎなんじゃないかなあ。本当に美味しいのかなあ」と思ったんですが。
食べたらわかります。
美味しいです。
あんまりイカ墨臭さが無いんですよね。
色のインパクトと新鮮なイカがゴロゴロと入っています。
凄く美味しい焼きそばなんですね。
食べた後、口が真っ黒になって、そこでニッと笑って写真を撮る。
そこまで楽しみがあるので、是非皆さん、「うまさぎっしり博」にも糸魚川から出店してきますので、一度食べにいってください。

そのブラック焼きそばに対抗して出来てきたのが上越です。
上越が「ホワイト焼きそば」。
米粉の麺で、えのきとか白菜とか、白い野菜で作られたのがホワイト焼きそばですね。

その他、妙高。
ご存知ですか?
妙高、赤倉ということは、赤い焼きそばです。
「レッド焼きそば」が今、誕生しています。

取材したスタッフに言わせれば、ホワイト焼きそば、かなり美味しいそうです。
私、まだ食べていません。
これ、真っ赤なんですよ。
本当に赤いんですけれども、辛くないそうです。
パプリカとかトマトとか、赤いお野菜を使って色を出しているそうです。

この間聞いたのですが、上越ではイエロー焼きそばとグリーン焼きそばも作っているそうです。
これで5色揃います。
多分、戦隊モノが生まれるんじゃないかなと。
そういう目論見なんじゃないかなあと思っているんですけれどね。
イエロー、グリーン、レッド、ブラック、ホワイト。
ちょっと楽しみな展開です。

この糸魚川と上越、あの辺りは北陸新幹線がもうすぐなんですね。
ということで、そこでなんとか足をとめてもらいたいという事で。
その中の一つということで、焼きそばでの町おこし頑張っています。

その他にもいろいろあるので、どれをあげようか迷ってしまうんですが。
去年の7月に誕生した佐渡のB級グルメといえば、分かりますか?
「天然ブリカツ丼」ですね。

●佐渡の新・ご当地グルメ 佐渡天然ブリカツ丼の公式サイトです
http://www.burikatsu.com/

これもイベントに出店しています。
でも、イベントで食べるよりも、地元で食べるほうが数倍美味しいです。
それがイベントの難しさでもありますけれどね。
地元の佐渡が盛り上がってきて欲しいなと思っているんですが、道のりは厳しいです。
それは、漁師さんはブリカツ丼を食べた時に、「なんで俺たちがとってきた生が、一番美味しく新鮮なのに、カツ丼にしちゃうんだ!」という思いが多いんですね。
凄くよく分かるのですが、町おこしの一環ということで作ったメニューだということを理解して、佐渡の皆さんにこれからも、もっともっと盛り上げてもらいたいなと思っているところです。

もう一つ意外なところなんですが、加茂市にも動きがあります。
加茂で思いつくもの、分かりますか?
(客席から声)
当りです!
その通り、マカロニです。
なんと全国発祥なんです、この加茂が。
全国ではじめてマカロニを作ったという機械も残っているんですね、加茂には。
ニュ〜と出てくる機械が。
それで町おこしをしていまして、飲食店やホテルなどでグラタンだけではなく、お吸い物に入れてみたり、デザートにしてみたりして、町おこしを頑張っています。

あと、新潟市の松浜では、「ござれやきそば」なんてのもありますし。
大道でいえば「タレかつ丼」。

●越後 新潟発 ◆うますぎ タレかつ軍◆
http://blog.tarekatsu.com/

タレかつ丼はみなさんにとっては当たり前のものだと思うんですけれども。
私、仙台から来てはじめて食べました。
他にはありません。
仙台は卵とじなんですね。
新潟に来て、はじめてご飯の上に、ポンポンとカツがのったカツ丼を見て、「なんてシンプルなカツ丼なんだろう」と思ってしまったんです。
でも、一度食べたらもう、あまりにハマって、今、私は卵とじはいりません。
タレかつが美味しいと思っています。

まだまだ、これもPRはこれからですね。
カツ丼で言えば、お隣の福島・会津は「ソースカツ丼」が有名です。

●伝統会津ソースカツ丼の会
http://aizu-katudon.com/index.html

お隣福島は、本当にPRが上手なんです。
喜多方ラーメンとかソースカツ丼は、全国に知れ渡っています。
どんなことをしているかと言うと、福島はカツ丼で言えば、お店同士できっちりと手をつないで、グループを昔から作っているんですね。
「会津ソースカツ丼の会」という会を作っています。
ここで、カツ丼のマップは勿論、カツ丼のストラップ、歌のCDを作っていますし、去年は、カツ丼ダンスも出しました。
これは、初級編と上級編があるそうです。

ダンスや歌のできばえがいいとか、そういう事ではなくって、マスコミが面白がって飛びつくようなネタをじゃんじゃん出してくるんですね。
マスコミに取り上げられて、土俵を全国に持ち上げていく。
去年取材した、会津の白孔雀食堂というソースカツ丼屋さんがあるんですが、その時聞きました。
一ヶ月で17回取材を受けたそうです。
凄いですねえ。
でも皆さんご存知の通り、福島原発の風評被害もあって、お客さんがガクッと少なくなってしまっています。
勿体無いですねえ。
せっかく、オール福島県産でソースカツ丼を作って売り込もうと、成功していたところだったんですが、残念ながらお客さんが減っているという事です。
私たち、お隣の県ですので、皆さん行って味わっていただきたいと思います。
いろんなお店がソースカツ丼を出しているのですが、私のお勧めは白孔雀食堂というところです。
古い建物のお店なんですけれども、そこのアンちゃんが凄く面白くて、味も抜群です。
是非、食べに行っていただきたいと思います。

そしてお隣繋がりといえば長野。
長野もPRが上手です。
カツ丼でいえば、「駒ヶ根ソースかつ丼」です。

●駒ヶ根ソースかつ丼
http://www.komacci.or.jp/katsu/

B-1グランプリを目指して、「長野ヤキメン」という新しいメニューを町をあげて作っています。

●〜BBBながのプロジェクト〜私たちのふるさと 長野を「ご当地 新メニュー」で元気にしよう!
http://bbb-nagano.com/

スピードが速くて、おそらく近年中にB-1グランプリに出てくるんじゃないかなと思っています。
長野の取材に行った時に、「新潟には美味しいタレカツ丼があるんですけれども、勿論知ってますよね?」と町おこしのリーダーの人に言ったんですよ。
その人知らなかったんです。
その人にこんな事を言われました。
「知られていないという事は、この世に存在しないのと同じだ」と言われたんですね。
酷いことをいうなあと思ったのですが、町おこしという観点から観たら、その通りなのかも思っています。
新潟もちょっと出遅れた感じがあるのですが、これから色んな地域のお宝グルメが、どんどん力をつけて全国へ発信していくのか、すごく楽しみです。

PR力、PR魂、若干のずうずうしさ。
自慢することですよね。
自慢魂で良いと思うんですよね。
まだまだ新潟はPRに遠慮が見られますが、私は「奥ゆかしい」と言ってくださいと色んなところで話しています。
でも、さっきVTRに出てきたような、ああいう人達が全国にいるんですよ。
焼きそばを被って踊れるような人達が。
だから、あそこまで土俵を持っていくためには、奥ゆかしくなりすぎず、羞恥心もちょっと捨てて、ふるさとの為に頑張るために、一歩、半歩出すことが大事なのかなあと思いました。

【ふるさと愛は、家族愛】

だんだん時間が迫ってきましたが、もう一つ最近言われはじめているのが、PRが下手という事ではなく、実は新潟の人はあまり、本当には困っていないんじゃないだろうか、という事も言われているんですね。

田村教授が新聞に、こんな事を書いていました。

「本当は困っていないんじゃないだろうか。
本件は食材が豊富で、全国に通用するものがあるのが特徴である。
ただ、これは強みである反面、弱みにもなりかねない。
ブランド意識が安心感に繋がってしまうためだ。
本県も貪欲に、地元の素材を掘り起こし、売り出さなければ取り残されてしまう」

と新潟日報に書かれていました。
例えば新潟が日本一だと言われているお米・コシヒカリ。
間違いなく日本一です。
美味しいですものね。
皆さん、旅行に出かけて新潟より美味しいお米を食べたことは、あまり無いと思います。
でも、隣の山形では、コシヒカリより美味いというのぼりを揚げて、新品種を開発しているんですね。
「つや姫」というお米です。

●お米はここまで美味しくなれる。「つや姫」山形から、日本の新品種。
http://www.tuyahime.jp/

有名なお米になってきました。
魚沼コシヒカリよりも価格が安くて、美味さも十分という事で、コンビニエンスストア等の大手が飛びついてオニギリなんかを販売しているそうなんですけれども。
山形は「米粉」にも相当力を入れているという事です。
新潟も、ウカウカしていられません。

勿論、今でも新潟のコシヒカリは日本一ではありますが、そのライバルとの距離が縮まっているという事は、私たち意識していいかなければいけないなあと思っています。

いろいろと取り留めの無いお話をさせていただきましたが。
私たち一人ひとりが、ふるさとに出来ることって、あるんですよね。

町おこしは人おこし。
「無いものねだり」ではなく、「あるもの探し」をしていこうという声があがっています。
奥ゆかしくなりすぎず、ふるさとの魅力をどんどん全国、世界に皆さんも発信していただきたいと思います。

私も担当する「水曜見ナイト」。
水曜夜7時から新潟県内だけでしか放送されません。
ですがまずは、新潟の皆様に「新潟って実はこんな凄いところがいっぱいあるんだよ。全国に誇れるものがたくさんある。いいところが一杯あるんだよ」という事をお伝えして、大勢の方に我がふるさと自慢の口になっていただくことから、はじめようと思います。

最初に戻りますが、被災地の大工のお父ちゃんの声どおりですね、最終的にこの地・ふるさとを守っていくのは新潟の皆様だけだと思います。
このふるさと・土地を守っていくのは、ふるさと愛であります。
じゃあ、なんでふるさとを守っていかなければいけないのか。
それはやっぱり、自分の家族が代々、ずっと幸せに暮らしていける土地をつくっていく為だと思います。
ふるさと愛は、家族愛に繋がっていくんじゃないかなあと、取材を通して、そして震災を通して私が感じたことを通して、今日の話しを締めくくらせていただこうと思います。

本当に長い時間、皆様ご清聴ありがとうございました。

(拍手)

Posted by kanzaki at 2011年11月13日 15:29