2014年03月17日

アンガーマネジメントとは?〜企業や学校が注目する「怒りを上手にコントロールする心理教育プログラム」

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カッとなったとき、怒りを上手にコントロールする心理教育プログラムを「アンガーマネジメント」と言います。
これを取り入れる企業や教育現場が増えている事を地方新聞で知りました。


パワーハラスメント、体罰に対し、社会が厳しい目を向けています。
そんな中、怒りを爆発させずに多様な価値観の人々とコミュニケーションするための知恵が求められています。



【アンガーマネジメントとは?】


1970年代、アメリカで始まった教育プログラムです。
家庭内暴力の対応策や、矯正プログラムとして導入されました。


2001年ごろから、より一般的なプログラムが普及し、国際的に広まりました。


俳優チャーリー・シーンさんをはじめ、政治家や医師、スポーツ選手らさまざまな業種の人が取り入れています。


2011年設立の日本アンガーマネジメント協会には、講師役の公認ファシリテーターが約340名います。


●一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会 - イライラしない方法 怒りのコントロール
http://www.angermanagement.co.jp/



【怒りの連鎖を断つ】


公認ファシリテーターによりますと、
「怒らないのではなく、怒りを上手に配分するのがコツ」
だそうです。


怒りのメカニズムの中心には、「〜すべきだ」という、個人の信条や価値観「コアビリーフ」があります。


個人にとっては大切ですが、全てが自身の価値観に沿うべきだとの考えは摩擦を招いてしまいます。


アンガーマネージメントでは、怒りは「(立場や心理的な優劣の)上から下へ流れる」と考えられています。


例えば、上司から部下へ、親から子へ。
社会の「怒りの連鎖」を断つことが不可欠です。



【日本での普及】


日本では、雇用不安や不況、東日本大震災後の社会的不安を背景に「怒りの処方箋」として広がりました。


厚生労働省の調査では、働く人の6割が強い不安やストレスを感じています。
ストレスの原因の1位は人間関係です。


日本アンガーマネジメント協会の講習を受ける人は、2012年が約8500名でしたが、昨年は約1万5千人と倍近くになりました。
多様化する価値観に対応できない人が増えているからと分析されています。


企業でも注目されています。
例えば、三井物産では、社内教育制度の講座の一つとして導入しています。
定員の4倍を超える申し込みがあるそうです。
最近は、若い世代にハッパをかけても、パワハラと受け取られる時代。
管理職の悩みも寄せられています。


教育分野でも、体罰問題があります。
岩手県では、中学・高校の生活指導主事や部活動の顧問の教員を対象に研修会を開催しました。
県内全域への普及を図る方針です。


長崎県でも県立高校、特別支援学校の代表者を招いて研修会を開き、体罰根絶を目指すガイドラインなどでアンガーマネージメントを紹介しました。
手を上げるのは、愛のムチという言葉で済まされない時代になりました。
上手な叱り方を身につける上で一つの有効な考えだと、教育庁の担当者は語ります。



【怒りの修正方法】


あなたを怒らせているものの正体は、あなた自身です。
「意見や立場の違いを受け入れられないこと」こそが怒りの正体なのです。


アンガーマネージメントが行う修正は、大きく分けて2つです。
怒りを感じても、怒りのまま行動をしないという「行動の修正」。
そもそも、頭の中を怒らない仕組みにするという「認識の修正」。


●「行動の修正」
(例)
考えを一時停止させたり、深呼吸、難しい計算をして、反射的に反応しない。


●「認識の修正」
(例)
自分自身の怒りを客観視して、怒りを10段階に分けてみる。
重要・重要ではない・自分で変えられる・自分で変えられないの4象限に分類してみる。
ストレスとのつきあいで大切なのは、自分で変えられる象限に意識を集中すること。


これらを踏まえ、さらに怒りの背景と向き合っていきます。
その辺は、アンガーマネージメントから直接教えてもらいましょう。


コミュニケーションとしては、怒っても怒りをそのままぶつけない術を身につけましょう。


●「コミュニケーションの修正」


(例)
人間関係を壊すような「絶対」「いつも」「必ず」といった言葉や表現を避けましょう。
決めつけをしたり、大げさな表現を控えましょう。
会話の主語を「私は」にすると思いが伝わりやすくなります。
そして、相手の思いもきちんと聞きましょう。


※※※


私は、怒りとは「理想と現実のギャップ」だと思っています。
自分の思った通りにならないから、イラッとするわけでして。


多分、前進するには、いい意味で「諦め」が肝心かと。
構えているファイティングポーズをやめ、相手の言葉を聞く姿勢にする。


現実や相手を受け入れるに大切だと思います。



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Posted by kanzaki at 2014年03月17日 23:23