2015年04月20日

「前後裁断」〜福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督の座右の銘

工藤公康(くどう きみやす)さんは、福岡ソフトバンクホークスの監督です。


座右の銘は、「前後裁断」
過去も未来も断ち切り、現在に集中することです。


過去の栄光も、未来の夢も封印し、ソフトバンク工藤監督が目の前の勝利に向けて動き出しました。

(雑誌penより)



昨年11月に監督に就任しました。
新監督として発表されたのは、ソフトバンクが日本一を達成した僅か2日後のことです。


監督を引き受けたのは、恩返し的な意味がありました。
1999年、フリーエージェントでホークスを出たことが引っかかっていました。
お世話になった王貞治会長からの話しだったので、恩返しするなら今しかないと決断しました。


王会長、秋山前監督の作り上げたチームの良い所を伸ばしたい。
自身はピッチャー出身なので、相手のピッチャーがどんな心理なのか、あくまでピッチャー目線での野球になると。
相手のピッチャーが嫌がることを仕掛けていきたいそうです。



昨年、3年ぶりのリーグ優勝を果たしたチームを引き受けるのですから、相当なプレッシャーです。


工藤監督は、自分が出来ることは限られているから、あれこれ考えず、目の前のことをしっかりやろうと考えています。


※※※


神ナナでプロ野球の事を書くのは珍しいですね。


工藤監督を尊敬できるのは、自堕落だった生活習慣を、自ら直して立ち上がったところです。


プロになってから早々、体を壊しました。
理由は、お酒の飲み過ぎです。
内蔵がボロボロになりました。


その後、結婚した奥様が、とても献身的な料理を作ってくれました。
肝臓に良いとされるシジミをふんだんに使ったみそ汁にはじまり、いろんな体によいものを出してくれました。
それから、内臓に負担のかからない食事を心がけ、疲労が取れやすい体質になっていきました。


奥様は、食事の面でサポート。
そして、トレーニング方法やプロ野球以外の人たちと会って学ぶことを勧めてくれました。


大学教授や医師らスポーツ医学・運動生理学に詳しい方々と会い、投球をする前提となる体のしくみ、体が進化するためのトレーニングなどを学びました。


ホークスでの投手時代から、自分自身の「データ分析」を行いました。
試合中の自分をビデオで研究し、どのような投げ方で、相手がどのような反応、結果となるかを細かく分析しました。
そのおかげで、相手の打者のちょっとした動きで、考えが分かるようになりました。
対戦相手の性格・クセを野球時以外の会話や、シーズンオフのテレビ番組などでも研究しました。


こういった理論派なところが、私の好きなところです。
しかも、最初からそうだったのではなく、若い頃の不摂生によって、崖っぷちにたたされた恐怖感・危機感からの再起です。
落ちたところから、必死になって這い上がってきたのです。


プロになる前の才能という貯金を取り崩して活動をするのではなく、プロになってから、新たな視点で研鑽し上乗せしていく姿は素晴らしいですね。
その結果、長年プロとして活躍できたのです。


※※※


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Posted by kanzaki at 2015年04月20日 21:25