2010年03月08日

誰もが主役になれる新スポーツ「ディスコン」とは?〜新潟の地域の健康福祉、コミュニティづくりに貢献【1】

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年齢と笑顔の数は反比例する。
悲しいけれど、納得せざるを得ない人が増えています。

仕事や育児等が忙しすぎるから。
妻(夫)に先立たれて独り暮らしをしているから。

視野が狭くなると人と交流をする機会が減り、ますます心が縮んでいきます。
NHKが「無縁社会」について取り上げているのは、この事実が誰にでもあり得る時代になったからだと思います。


●NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【1・行旅死亡人(こうりょしぼうにん)とは】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002015.html

●NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【2・身元不明の死】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002016.html

●NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【3・薄れる家族とのつながり】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002017.html

●NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【4・会社とのつながりを失った人々】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002018.html

●NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【5・"生涯未婚"の急増】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002019.html

●NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【6・希望の光】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002020.html


今の時代、バブルの頃のような派手な生活を望む人は少なくなりました(むしろ、恥ずかしい思い出だと感じている人が多いです)。
けれど、笑顔の無い生活を望む人はいません。

笑顔の数を増やすには、人との交流の場を増やすのが一番の近道です。
しかし、交流の場とは何を指すのでしょうか?

地域に交流の場があったとして、人それぞれ年齢や立場、体力等に違いがあるので、一緒に何かをするというのは難しいものです。
そうすると、単に飲食をしてお話しをするだけのイベントになってしまう事が多いです。
もちろんそれも良いのですが、年齢と笑顔の数を比例にできるほどのインパクトはありません。
それに、似たような人達で固まってしまうので、交流が広がりにくいですよね。

誰もが孤独になってしまいがちな現代。
地域の人達が互いに交流をするには、やはり何かしら「道具」が必要となります。

人と人との縁を結ぶ道具。
その一つの道具として、新しいスポーツ「ディスコン」をご紹介します。


●ニュースポーツ「ディスコン」とは?
赤と青の2チームに分かれ、1チーム6枚の円盤(ディスク)を投げ、最初に投げた黄色いポイントにどちらが近いかを競うスポーツです。
はじめての方でもベテランと対等に競技を楽しむことが出来ます。
円盤は直径12cm、重量75gの硬質ウレタンフォーム製です。
円盤を操るところから、「ディスク・コントロール(DISK・CONTROL)」→略して「ディスコン(DISCON)」と名づけられました。

詳細なルールは公式サイトを御覧下さい。

●全国ディスコン連盟
http://www.discon.jp/

簡単に言いますと、どこでも出来るカーリングです。
カーリングは重い石を使いますが、ディスコンはCDの大きさの軽い板を使います。
カーリングは氷の上限定ですが、ディスコンは体育館から会議室まで、床が平らで円盤が滑る場所ならばどこでも可能です。
「フロアカーリング」という底部にキャスターの付いた木製のストーンを使って体育館等で行う競技もありますが、ディスコンは道具も小さく、気軽に楽しめます。

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上記は、ディスコンに使用する道具。
沢山ある赤と青を着色したものがディスク(円盤)で、これをプレーヤー達が、ポイントと呼ばれる黄色いディスクに向かって床の上を滑るように投げます。
団扇とメジャーは審判員が使用するもの。
番号の付いた名札はプレーヤーが首から掛けて使用します。

先日、親友の誘いもあり、ディスコンの体験会を取材してきました。
この体験会は定期的に行われており、3回以上の体験をすると、インストラクター認定試験を受けることが出来ます。
親友は今回の体験で3回目ですので、今月行われる認定試験を受けます。

最初、ディスコンと聞きまして、「discontinued」の略であるディスコンを連想しました。
こちらは商品や書籍等の製造中止・販売中止などの意味です。
家電芸人である私には、コチラのほうが馴染み深い。

当日は、地元新聞紙の取材も行われていました。
そんな中、私のようなフリーな立場の人間にも、ディスコンについて丁寧に説明してくださった新潟県ディスコン教会の会長様、副会長様には大変感謝しています。

ディスコンは関西の方では既に地位も確立されており、じょじょに全国各地へ広まっています。
1997年(平成9年)に岡山市立少年自然の家で発想され、大阪を中心として西日本から広まりました。
全体で約20万人ぐらいの規模だそうですが、更に拡大していくことでしょう。

新潟県ディスコン協会は昨年12月6日、地域としては17番目に設立しました。
最初は13人のインストラクターから始まったのですが、今年のはじめから地域のイベントにも活用されはじめ、少しずつ認知されてきています。

●新潟県ディスコン協会:So-netブログ
http://niigata-discon.blog.so-net.ne.jp/

このスポーツの良さは、男女年齢を問わないばかりか、ハンディキャップのある方でも参加できることです。
ルールも参加される方達にあわせて臨機応変に変えていけますし、足や視覚にハンディキャップのある人でも補助の人がつくことで参加ができます。
車椅子を補助したり、目の見えない方には鈴で場所を教えたりしてあげます。
以前、NHKがディスコンの取材をした時は、視覚にハンディキャップのある人が勝ったそうですよ。
ディスコンの公式ガイドブックには、障害を持つ人、幼児を含めたファミリー、小学生、車椅子使用の高齢者等が参加した場合の心得、接し方、ルールの変更等が記載されています。
「だれもが主役になれるユニバーサルスポーツ」と謳っているだけあり、この辺の対応方法はしっかりとしています。

下記が、体験会の時の模様です。

●Youtubeに動画をアップしました↓

私も実際に体験をしてみたのですが、ディスクをコントロールして投げるにはコツがいるようです。
手の平を広げて上からディスクを掴み、親指を飛ばしたい方向へ向け、後はボーリングの投球のような感じで滑らすように飛ばす。
ボーリングはピンの場所がまっすぐ前の方ですが、ディスコンの場合、ポイントと呼ばれる黄色いディスクがコートの中のどこにあるかは、ゲームの展開次第。
相手チームよりディスクをポイントへ近づければいいゲームですから、例え上手な人を相手にしていた場合でも、ポイントのある場所によっては、初心者にも勝利のチャンスは巡ってきます。
また戦略的に、ポイントの近くにある相手のディスクを弾いて遠くへやってしまったり、逆にポイントを自分達のチームに有利な場所へ飛ばすなんて事も出来ます。

ゲームに参加するのに敷居が低くて、やりこめば奥深い。
誰でも参加できるディスコンは、単なるスポーツやゲームとしてだけではなく、地域の健康福祉、コミュニティづくりに貢献する道具として注目されています。

(続く)

●次回の記事: 誰もが主役になれる新スポーツ「ディスコン」とは?〜新潟の地域の健康福祉、コミュニティづくりに貢献【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002040.html

*写真の撮影、掲載については許可を得ています。

Posted by kanzaki at 2010年03月08日 22:58