2010年04月27日

特集・神ナナインタビュー「イラストレーター・山田ナツミさん」【その1】

今年の2月、新潟で活躍中のイラストレーター・山田ナツミさんについて書きました。


●神崎のナナメ読み: 山田ナツミ展へ行ってきました【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002022.html

●神崎のナナメ読み: 山田ナツミ展へ行ってきました【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002023.html


今月4月22日から30日までの期間、新潟絵屋にて「ターフェルアート展」が開催されています。
山田ナツミさんも、出展者の一人として参加しています。


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●新潟絵屋
http://niigata-eya.jp/
住所:〒951-8068 新潟市中央区上大川前通10番町1864
TEL&FAX:025-222-6888
開廊時間:午前11時〜午後6時(各企画とも最終日は午後5時迄)
休館日:毎月1・11・21・31日

・「ターフェルアート展」〜新潟絵屋・2010年4月
http://niigata-eya.jp/eya2010/1004.htm#1004-3

ターフェルアート展 2010年4月22日(木)〜30日(金)
出品作家:内田美代子、山田ナツミ、長尾玲子、松本健宏、麻生知子

西洋にはターフェルムジークという音楽がありました。
王侯貴族の食事に供される楽曲ですが、18世紀前半のドイツの作曲家テレマンの《ターフェルムジーク》は有名です。
それなら美術グルメのための《ターフェルアート》があってもいいと考えて、今回は、絵屋の「食卓」を「料理」や「食材」「食卓風景」で飾ってみることにしました。5人の作家によるグループ展です。
個性的な「レシピ」から生まれた独創的な「メニュー」を用意しました。
期間限定で営業中の「レストラン絵屋」に是非ご来店いただき、ご賞味、ご賞眼?下さるようお待ちしております。 (小見秀男)

先日、山田ナツミさんと上記の会場にてお会いし、インタビューをさせていただく事が出来ました。
1時間30分を超える長いインタビューとなったのですが、嫌な顔ひとつせず、一つ一つの質問に丁寧に答えていただき、私は大変感激しました。
こういう方にこそ、大成してもらいたいと思いますので、全力で応援したいと思います。
それでは、その時の模様を書きたいと思います。


●インタビューの相手:山田ナツミさん

・職業 イラストレーター
・1983年生まれ(現在27歳)
・19〜20歳まで日本アニメ・マンガ専門学校(JAM)で学ぶ
・以後、イラストレーターとして活躍。近年、個展を定期的に開催
・JAM、iメディアの非常勤講師という肩書きも持つ


(1)フェルトを使った作品について

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※牛ロースのステーキ

◎フランス料理をフェルトで再現する

会場となった「新潟絵屋」は、NPO法人の形態をとっている珍しい画廊です。
対価を支払えば会場を借りられる一般の画廊とは違います。
企画運営委員の会議によって、行われる展示会が決まるのです。
今回、企画委員の一人である小見秀男さんが中心となり、料理、食材、食卓風景をモチーフとした作品を複数のアーティストに制作してもらい、それらを一つの会場で展示しました。
5人のアーティスト達による「グループ展」なのですが、必ずしもお互いに面識がある訳ではないそうです。

山田ナツミさんは、昨年末にこのグループ展の話しを聞かされ、今年の2、3月頃から制作を開始したそうです。
彼女の出展した作品は、皿に盛られた料理を「フェルト」等の素材で再現した立体造形です。
フェルトとは、動物の毛を集めて圧縮して作ったシート状の不織布の事です。
今回はグループ展なので、出展数は抑えており、合計5点になります。
彼女はイラストレーターなので、仕事では二次元の作品が多いのですが、前々回の個展以降、今回のような立体造形を創作・出展しています。

料理と言いましても古今東西、様々なものがありますが、彼女はフランス料理を中心に制作しています。
モチーフとなるものは、料理の本を参考にしているそうです。
フランス料理はデザイン的に見ても綺麗なので、これを立体造形として自分が作ったらどう表現できるのかが、制作開始の発端です。

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※デザート盛り合わせ

◎作品の作り方

フランス料理を再現するのに使う主な材料は、フェルト、布、ビーズ、刺繍糸等です。
作成方法ですが、まずはコピー用紙等で型紙を作成します。
それにフェルトを当てて、型紙通りにカットします。

料理は複雑な形状をしていますが、まずはコアとなる立方体や直方体等をフェルトを縫い合わせて作成します。
尚、形状を維持するため、中には綿が入っています。
そして、それに装飾していき、モチーフとなった料理を再現していくのです。

主な素材であるフェルトは、絵の具等と違って色数が少ないそうです。
しかし立体造形ですから、高低差・奥行き等で影が出来ます。
同じ色でも、影になった部分は別の色のように見えます。
そういった立体ならではの表現により、色数の少なさをカバーしています。
山田さんは専門学校時代、絵を描く際、同じ画面の複数の箇所に、例えば黒という色を使うにしても、同じ黒を使わないようにと習ったそうです。
そういった勉強が、立体造形を作る際、色数の少なさをカバーするのに役立っているのでしょうね。

さて、今回のようなフランス料理をモチーフにした立体造形ですが、既に100作品を超える数を制作したそうです。
全部並べたら、まさしくフレンチのフルコースですね。

勿論、制作を続けていくことで、少しずつ改良も加えています。
例えば料理を乗せたお皿の部分は、今まではボール紙に布を張ったものだった為、どうしても歪んだり、反ったりしていました。
しかし今回は、プラスチックのお皿に布を張ることで改善しました。
継続して創作していくからこそ、質を高めていけるのでしょうね。

こういった一連の、料理をモチーフにした作品は、2008年に作成したケーキが最初だそうです。
まだそれほど年月が経過していないのに、既に100作品というのは、とてもハイペースですよね。
彼女は、イラストレーターとしての仕事の早さにも定評があり、その点については次回にて紹介したいと思います。

【続く】

次回の記事: 特集・神ナナインタビュー「イラストレーター・山田ナツミさん」【その2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002072.html


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※※※※

山田ナツミさん関連記事(下へ行くほど最新記事です)


●山田ナツミ展へ行ってきました【1】
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●特集・神ナナインタビュー「イラストレーター・山田ナツミさん」【その3】
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●「山田ナツミ展」が開催中です〜フェルトを使ったフランス料理等の作品【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002184.html

●「山田ナツミ展」が開催中です〜フェルトを使ったフランス料理等の作品【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002185.html

●「山田ナツミ フェルトでお料理アート 作品展」開催中です【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002234.html

●「山田ナツミ フェルトでお料理アート 作品展」開催中です【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002235.html

Posted by kanzaki at 2010年04月27日 21:31