2014年10月19日

「不安」を解消する方法は「回避」と「突入」〜チャレンジして失敗することを恐れるよりも、何もしないことを恐れろ(故・本田宗一郎氏)

「不安」を解消するには、どうしたら良いのでしょうか?


神田東クリニック院長・高野知樹さんが解説しています。
神田東クリニックは、企業・組織のメンタルヘルス対策支援で有名です。


●神田東クリニック | 企業・組織のメンタルヘルス対策をご支援する弘冨会
http://www.iomhj.com/clinic/index.html


不安の裏には必ず、「欲望」が隠れています。
欲望があるからこそ、それを満たせるのかと不安が顔を出すのです。


特に仕事の不安は、相手から良い評価をもらいたいという欲望が裏にあります。
でも、果たしてできるのかと考えるから、不安になるのです。
無欲ならば、不安はないはずです。



【不安に対する2つの対処方法】


100年前、医師・森田正馬は、「森田学説」を唱えました。
これは、現代の精神医学でいう不安障害に対する療法です。


不安に対する対処方法は、2つに分かれます。


(1)回避・・・その場から逃げること
(2)突入・・・工夫して、成功へ近づけること


(1)回避

例えば、大切な会議での発表が不安で仕方がない場合、発表を休んだり、他の人に代わってもらうことです。


その場の不安はしのげますが、釈然としない気持ちは残ります。
うまくいきたいという深層心理、「欲望」を満たす行動を遠ざけます。


(2)突入

例えば、大切な会議での発表の場面で、工夫をこらして成功に近づけることです。


不安の裏にある「欲望」を見いだし、満たすべく行動するのです。


不安をはじめとする少々不快な感覚をそのままにしておくことを、森田医師は「あるがまま」と表現します。


不快感の解消にとらわれすぎてはダメです。
まずはその感覚をそのまま受容する。
そして潜む「欲望」を満たした結果、不安が消え、達成感にもつながります。


見境なく「突入」すれば良いものではありません。
時には回避も必要。
一番大切なのは、不安の裏に隠れている「欲望」を見出すこと。
それを満足させるために何をしたらいいのか考えるのです。


故・本田宗一郎氏が、こう語っていました。


「チャレンジして失敗することを恐れるよりも、何もしないことを恐れろ」


※※※


「欲望」がある限り、この世から「不安」は消えないのです。


それにしても、「不安」というネガティブな感情が、実はギラギラした感じさえする「欲望」のあらわれだとは意外でした。
なんだか間逆な感じがしますから。


無欲ならば不安にはならないというのも面白い。
そういえば、「嫌い嫌いも好きのうち」「嫌よ嫌よも好きのうち」とも言います。
「好き」の反対は「無関心」です。
「嫌い」というのも、なにかしら気にしているあらわれですよね。
少なからず対象に対して、考える時間を割いているのですから。


確かに大抵の場合、「突入」した方が、得るものが多いです。
突入する前の重い腰を上げるまでが、これまた私のような凡人には辛いのですが・・・。


突入するには、具体的な行動をしないといけません。
一つの計画を遂行するのに、大抵は複数の行動・作業をしなければなりません。
一つ一つの行動・作業は小さく、地味かもしれない。
しかし、確実に前へ進んでいるし、進んでいるからこそ、次の課題・問題点も見えます。


次の課題・問題点が見えたら、解決の為に、また幾つかの行動・作業が必要になります。
日々の仕事は、こういう事の繰り返しですよね。


私のストレスは大抵、なにかを実行する前の不安です。
始まってしまうと、具体的な実務が発生するので、大変ではあっても、不安は意外とないです。
(ムカついたり、怒ったりはありますが・・・)


怖くて回避したいのはやまやまですが、
「逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ」
と心の中でつぶやき、正面突破で目標へ突っ込んでみたいと思います。



【高野知樹院長に関する記事】


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Posted by kanzaki at 2014年10月19日 18:43