2011年11月16日

人間関係を良くするひと言〜「よけいなひと言ハンドブック(著・大谷由利子さん)」を読んだ感想

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この本の冒頭に、印象的な言葉がありました。

「言葉には辞書に書いてある意味だけじゃなく、温度がある」

そして後書きには、こう書いてありました。

「言葉は生き物でもある」

「どんなに正しい日本語を使っていても、相手に響かなかったら意味が無い。ましてや相手に不快な思いをさせていたら、全然意味がない」

「みんなに一番伝えたいのは、言葉の使い方はマニュアル通りにはいかないということ」

「人生は一回きり。どうせなら、お互いにステキな言葉を使って、楽しくステキな人生を送りたい」

言葉は、自分の思いや考えを伝える、大変便利な道具です。
しかし、同じ言葉でも、使う相手と状況によって「よけいなひと言」に変わってしまうものです。

文書ならば、後で読み返して修正が出来るけれど、会話で発せられたものは、修正ができません。
修正前に、相手に感情が生まれるからですよね。

この本では、いろんな「ひと言」を紹介し、相手はこう考えて怒ってしまうから気をつけようと説明されています。
8割方は、著者がそのひと言を言われた際の愚痴みたいな感じでした。
確かに納得できる部分も多いけれど、
「大人なんだから、相手が何気なく言ったそのひと言をそこまで揚げ足とらなくても・・・」
と感じてしまいました。

【人間関係を良くするひと言】


最終章だけは違っていました。
今までが「よけいなひと言」でしたが、最終章は「人間関係を良くするひと言」でした。
うんうん。
やはり前向きな言葉と考えがたくさん並んでいる方が、心も健康になります。

そんなステキな言葉として紹介されていたのは・・・

(1)ごめんなさい
(2)話を聞いていただけますか?
(3)なんとかなるよ
(4)そのままでいいよ
(5)魅力的だね
(6)ステキ
!

解説を読まずとも、なんくなく納得できますよね。

(1)ごめんなさい

反論や言い訳したいのは山々ですが、相手を傷つけたり、怒らせたりしているのは事実。
とにかく一度は素直に「ごめんなさい」。

言うのに勇気も必要だし、屈辱的かもしれない。
でも、言い訳を飲み込んで、さっさと謝ってしまうと、相手は何もいえなくなります。
いわば「ジョーカー(切り札)」です。

特に、相手が自分との関係に優位をつけたがる人の場合や、相手が自分を慕ってくれる人に効くそうです。

(2)話を聞いていただけますか?

相手に何か話しをしたい時、まず相手を聞く体制にする事が大切です。
いきなり話すより、「話を聞いていただけますか?」と、断りをいれるだけで、相手の心の状態が変わります。
「いいよ」と言った時点で、相手は聞く体制になっています。

ドタバタした中で会話しても、後で、言った・言わないのトラブルになります。
もめる確率が高くなってしまうので、まずひと言、「話を聞いていただけますか?」というのが、ビジネスマナーのテクニックの一つです。

(3)なんとかなるよ

本当に行き詰まったとき、悩みぬいて決心したときに、この言葉を言ってもらえると嬉しいものです。

不安で不安でしかたがないけれど、自分で必死に「なんとかなるよ」と思い込むものです。
そして、そう思うしかなかった。

そんな時、信頼している人、自分を分かってくれている人に、「なんとかなるよ」と言われると、ちょっとホッとします。

悩んでいる人の背中を押してあげるこのひと言。
この言葉で救われることは、数多くあるものです。

(4)そのままでいいよ

人って、誰でも不安。
だから、誰かにちゃんと認められたい。

今の自分で本当にいいのか迷うもの。
そんな時、この言葉をかけられると、現在の自分を肯定してもらえて安心するものです。

(5)魅力的だね

年齢や見た目を飛び越え、その人が持つ美点を「魅力」と言います。
魅力は、人を引き付ける力です。
魅力的な人はキラキラしているけれど、ギラギラしていません。

魅力的だと感じたら、積極的に口に出しましょう。

人によって、それぞれ魅力を発揮できるシチュエーションは違うもの。
年齢でも、お金でも、社会的地位でもありません。

相手の魅力を発見するのと同時に、自分自身も魅力的な生き方をしているか自問自答したいものです。

(6)ステキ!

このひと言は、心が豊かでないとすんなり出てこないのです。
相手をうらやむ心が先に出てくる人には、この言葉は素直に出てきません。
ついつい、「でもね」なんて言葉が出ちゃうもの。

自分の心に余裕がないうちは、この言葉は使えません。

否定語をあまり使わない人の周りに、人は集まってきます。

※※※

以上の六つは、「心のビタミン剤」と言えると思います。
温度のある言葉は、相手の心に染み込みます。

以前に説明したことがありますが、脳は「あなた」とか「私」という概念がありません。
相手に喜んで貰えるような褒め言葉を言うと、言った本人も喜び、自信がつきます。

精神的にまいっている時こそ、どんどんステキな言葉を使ってみましょう。
人を褒める言葉でも、脳や自律神経系は自分を褒める言葉と解するからです。
脳のプログラム上のバグとも言うべき欠陥が、実は性格向上の切り札になるのです。

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Posted by kanzaki at 2011年11月16日 23:30