神崎のナナメ読み: 山田ナツミ展(2011)へ行って来ました～フェルトを使ったスイーツ等のカワイイ魅力的な立体造形

2011年11月23日

山田ナツミ展(2011)へ行って来ました～フェルトを使ったスイーツ等のカワイイ魅力的な立体造形

イラストレーター・山田ナツミさんの個展が開催されました。
(11月17日(木)～22日(火)迄、羊画廊にて)

●山田ナツミさんのプロフィール

・職業　商業イラストレーター
・1983年生まれ
・19～20歳まで日本アニメ・マンガ専門学校(JAM)で学ぶ
・以後、イラストレーターとして活躍。近年、個展を定期的に開催
・JAM、iメディアの非常勤講師という肩書きを持つ

山田さんの作品は、お皿に盛られた料理を「フェルト」等の素材で再現した立体造形です。
フェルトとは、動物の毛を集めて圧縮して作ったシート状の不織布の事です。
既に100点以上の作品を作られています。
モチーフは主にフランス料理が中心ですが、今回の個展ではスイーツを多く展示していました。

・洋ナシロール(18.7×18.7×D8.2cm)

・天空の城を探しに(20.7×20.7×D10.3cm)←ラピュタを見たことのある方ならば納得のタイトルですよね。

・スター・ノエル(20.7×20.7×D10.3cm)

・黒パンのサンドイッチ(20.7×20.7×D8.2cm)

その他の作品は、下記の文章以降にたくさん掲載しています。

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主な材料は、フェルト、布、ビーズ、刺繍糸等です。
作成方法ですが、まずはコピー用紙等で型紙を作成します。
それにフェルトを当てて、型紙通りにカットします。
料理は複雑な形状をしていますが、まずはコアとなる立方体や直方体等をフェルトを縫い合わせて作成します。
尚、形状を維持するため、中には綿が入っています。
そして、それに装飾していき、モチーフとなった料理を再現していくのです。

※

20代でお若い山田さんですが、商業イラストレーターをやりつつ、日本アニメ・マンガ専門学校(JAM)の講師もしています。
最近は、生徒の数が増えたのにあわせて講義のコマ数も増えて大忙し。
その合間合間の限られた時間で作品を作られました。

※

これらフェルトを使った立体造形は、2次元のイラストとは別の「自己表現の可能性」を探るものとして作られたものです。
主な素材であるフェルトは、絵の具等と違って色数が少ないそうです。
しかし立体造形ですから、高低差・奥行き等で影が出来ます。
同じ色でも、影になった部分は別の色のように見えます。
そういった立体ならではの表現により、色数の少なさをカバーしています。
山田さんは専門学校時代、絵を描く際、同じ画面の複数の箇所に、例えば黒という色を使うにしても、同じ黒を使わないようにと習ったそうです。
そういった勉強が、立体造形を作る際、色数の少なさをカバーするのに役立っているのでしょうね。

※

多くの作品は既に売約済みでした。
訪れた多くの人が「買いたい」と思わせる魅力があります。
首都圏で勝負しても負けないぐらいの技量とセンス、そして「華(魅力)」があると感じました。
私のような芸術に素人な者でも、素敵だと思わせる作品に共通するのは「華」が存在するからだと思います。
今後の活躍にも、ますます期待したいと思います。

(以下、その他の作品を掲載します。
表示されていない場合、下記に「続きを読む」が表示されていますので、それをクリックしてください)

・赤と緑とリボンのペンネ