2015年01月08日

高級アウトドア用品を手がける新潟県三条市の会社「スノーピーク(snowpeak)」〜NHKクローズアップ現代で紹介されました

今日1月8日は、神ナナの誕生日。
2002年にスタートして13年が経ちました。
これからもよろしくお願い致します。

・2002年1月8日より開始(別の場所で運営していました)
・2004年1月31日よりblog形式にリニューアル
・2004年2月2日よりアクセスカウンタを設置


※※※


今週のNHK「クローズアップ現代」にて、新潟の中小企業「スノーピーク」が紹介されていました。
高級アウトドア用品を手がける会社です。


●スノーピーク(snowpeak)公式サイト
http://www.snowpeak.co.jp/


●wiki-スノーピーク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AF

スノーピークとは、日本の新潟県三条市に本社を置くアウトドア総合メーカー(Snow Peak, Inc. )、及びそのブランド名(Snow Peak )。 世界に先駆け、SUVで自然の中に出かける「オートキャンプ」のスタイルを生んだ会社で知られており、 「自分たちが本当にほしい製品」だけを作ることで、それまでなかった「自然の中で豊かで贅沢な時間をすごすアウトドアの楽しみ方」を確立してきた。 創業以来一貫して「自分達もユーザーである」という原点から革新的な新製品の開発を行い、顧客本位の高品質なモノづくりを続けている。


新潟県中部、人口10万人の三条市。
古くから金属加工が盛んで、近年は外国製品とのしれつな価格競争にさらされています。


この町にて、5年で売り上げを倍増させた注目のアウトドアメーカーがあります。
それが、「スノーピーク」です。


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金物問屋として創業して57年。
社員160人。
地域を代表する企業の一つに成長しました。
およそ7割の社員は、県外から入社を希望して集まった人達です。



躍進の秘訣は、高度な技術で加工した付加価値の高い製品にあります。


例えば、真空二重ボトル。
加工の難しいチタンを使って二重構造に仕上げています。
6時間10度を保持しますので、山登りの時にザックに入れておいて、美味しいビールが飲めます。


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高密度の生地を使うことで耐水性を高めた高級テント。
価格は、99,500円。


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去年の売り上げは前年から20%伸びて、過去最高の54億円を記録。
韓国やアメリカ等、海外にも進出しています。



このメーカーの社長は、山井 太さん(やまい とおる、1959年12月18日 - )。


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大学卒業後、東京の商社で働いていました。
26歳の時にUターンして実家の商店に入りました。


目にしたのは、地元の金属加工メーカーが安い外国製品との価格競争に巻き込まれ、苦境にあえぐ姿でした。


山井太
「みんなで安いマーケットに安いものを作って、安く売っていた。
僕は高く買ってくれる人に、高い商品でいいものを作って売っていくようなブランドも作らなければいけないと思った」


思いついたのは、自分が好きだったアウトドア関連の製品。
年間数十日、キャンプに出かけていた山井さん。


当時のテントは、雨漏りするなど多くの不満がありました。
地元の金属加工の技術を生かして高級テントを作って売りだしました。


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27年前、初めて発売したテントの金額は、168,000円!
従来品の10倍もの値段にもかかわらず大ヒット。
これが高級ブランドの出発点となりました。


山井さんは次々と地元企業に声をかけ、技術力を売りにした製品の開発に乗り出します。


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例えば、金属を叩いて強くする鍛造技術を使った驚異的な強度を誇る金具(ペグ)。
従来品の3倍の値段にもかかわらず、性能の高さが受けて、30万本のヒットになりました。


山井さんの仕掛けた高付加価値戦略の成功に、地元企業の意識も変わり始めました。


例えば、長年、自動車部品を手がけてきた工場は、新たな設備投資を行い、山井さん達と共同で、新たな開発に取り組むようになりました。


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その成果が、このダッチオーブンという鉄製の調理器具です。
厚さを半分近くまで薄くし、30%の軽量化を実現する画期的な技術をものにしました。



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販売は、直営店を主体に行っています。
社員が商品の機能やブランドの哲学を徹底的に説明します。


お客様も、値段は高いけれど、ものがいいのでずっと使えると好意的です。
インタビューにて、3年で250万円ぐらい買ったという人もいました。


地場産業とのつながりを武器に、世界を目指す山井さん。
高付加価値のブランドが、地方の新たな可能性を開こうとしています。


山井太
「地域からグローバルなマーケットに高いもの価値のあるものを作って、高く買ってくれる人に対して、ものを供給するようなことが成長戦略としてあります」


※※※


現在、中小企業は厳しい経営環境に置かれています。


そんな中、日本各地には地場産業や伝統工芸の産地があります。
それらの強みを引き出し成長させることができれば、地元経済の底上げを図ることができます。
スノーピークは、地方の中小企業とのつながりが強みを生んだケースです。


新たな人と人とのつながりが、地方発の新しいビジネスを大きく変えようとしています。
日本再生の鍵をにぎるのは、そんな地方の可能性にあるのではないでしょうか。


今年に入ってNHKは、地方再生、地方の復興、地元の魅力ある中小企業などをいろんな番組で取り上げています。
今年は、そういうのをテーマにしているようなので、地方民の私も注目してみたいと思います。


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Posted by kanzaki at 2015年01月08日 23:56