(昨年、新潟で行われたトークセッションの一場面。写真右から3番目が野上ふさ子さん)
10月10日、動物愛護団体「地球生物会議ALIVE」代表・野上ふさ子さんが亡くなられました。
63歳でした。
心より追悼の意を表します。
●地球生物会議ALIVE「代表 野上ふさ子 儀の逝去について」
http://www.alive-net.net/aboutus/fuhou.html
野上ふさ子さんは、新潟県南魚沼市(旧六日町)の出身です。
本日の地元新聞紙に、追想記事が掲載されていました。
※
今年8月、動物愛護法が改正されました。
生後すぐの犬や猫を親から引き離して販売することが禁じられました。
動物愛護法の大幅な改正は、1999年以降3回目です。
いつもその背景には、野上ふさ子さんの努力がありました。
飼育や販売の問題を粘り強い調査で明るみに出し、多くの署名を集め、改正法を後押ししたのです。
1985年から動物保護運動に関わりました。
捨てられた動物の保護ではなく、捨てない制度を求める運動にこだわり、終始ぶれませんでした。
※
進行性の乳がんと診断されたのは昨年6月。
東日本大震災後のことでした。
手術、放射線、抗癌剤を拒み、「自分なりに人生の意味付けをしたい(友人へのメール)」と、生い立ちや活動を振り返る本の執筆に力を注ぎました。
後書きは死の5日前。
病室で一人、ICレコーダーで録音しました。
自伝「いのちに共感する生き方: 人も自然も動物も」は、12月上旬に刊行されます。
●Amazon.co.jp: いのちに共感する生き方: 人も自然も動物も: 野上 ふさ子: 本
http://amazon.jp/dp/4779118484/
※※※
野上さんは、六日町高校を卒業後、哲学を学びたくて立命館大学へ進学しますが中退。
「人間が世界の中心」という西洋哲学に疑問をいだき、自然の神々が豊かに語るアイヌの「カムイユーカラ(神話)」の世界に共感しました。
北海道で10年生活し、アイヌ文化に関する本も出しています。
そんな考え方・生き方の先に動物愛護が続きます。
訃報を神ナナで書いたのは、昨年、野上さんがゲストで参加したトークセッションを聞きに行ったからです。
●東日本大震災にて新潟はペット支援に大活躍しました〜「新潟動物ネットワークNDNフェスティバル2011トークセッション」フリーアナウンサー伊勢みずほさん・大杉りささん、新潟動物ネットワーク代表 岡田朋子さん
http://kanzaki.sub.jp/archives/002377.html
●新潟県は動物達の殺処分ゼロを目指しています〜「新潟動物ネットワークNDNフェスティバル2011トークセッション」フリーアナウンサー伊勢みずほさん・大杉りささん、新潟動物ネットワーク代表 岡田朋子さん、ALIVE代表 野上ふさ子さん
http://kanzaki.sub.jp/archives/002382.html
ペット業界が明るく華々しい日本。
実は、動物たちの命が軽く扱われています。
現状を知らない人達の方が多いのです。
動物取扱業者の中には、利益重視で、命の扱いがぞんざいな人もいます。
無知なまま「カワイイ」からとペットを飼い、やがて捨ててしまう人も多い。
捨てられ、行き場を失った動物は、保健所で殺処分されます。
命が、マイナス方向へ一方通行なのです。
こういった影の部分を報道される事は、殆どありません。
また、そういった現状打破の取り組みも報道されません。
新潟は全国的に見ても殺処分率が非常に低いです。
殺処分方法についても、いち早く麻酔注射による安楽死を取り組みました。
東日本大震災の際、新潟県のボランティア団体「新潟動物ネットワーク(NDN)」は、被災した福島県にて、ペットと暮らせる仮設住宅の建設を要請し、現実となりました。
新潟県中越地震の時の教訓が生かされているのです。
しかし、多くの人達は知りません。
別に、目をそむけている訳じゃない。
ただ単に知らないだけ。
もっと多くの人達に、現状と解決方法を知ってもらいたいものです。
※
【関連記事】
●「新潟動物ネットワーク(NDN)」の代表・岡田朋子さん〜10年間の動物愛護ボランティア活動を続けてきた岡田さんを支えたものとは?-BSN水曜見ナイト「伊勢みずほの夢と逢いましょう」より
http://kanzaki.sub.jp/archives/002397.html
●福島県南相馬市にて「ペットを飼うことが出来る大規模な仮設住宅」が完成しました〜建設を働きかけたのは、新潟県のボランティア団体「新潟動物ネットワーク(NDN)」です
http://kanzaki.sub.jp/archives/002402.html
●映画「犬と猫と人間と」を通して「動物愛護」について考えてみる【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002181.html
●映画「犬と猫と人間と」を通して「動物愛護」について考えてみる【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002182.html
●映画「犬と猫と人間と」を通して「動物愛護」について考えてみる【3】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002183.html
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