2013年11月23日

大学生の読書離れを防げ!〜図書館と学生による「知的書評合戦ビブリオバトル」

bibliobattle01.JPG
(ビブリオバトルの概要)


【読書時間0の大学生】


新潟で一番賢い学生さんが通うのが新潟大学です。
そこの学生400人にアンケートした結果、40.8%が一日の平均読書時間「ゼロ」と回答していました。
2009年の調査に比べ、読書時間0の人が5%増えています。


●大学生の読書時間

読書時間0分・・・40.8%
30分〜40分・・・22.5%
60分以上・・・17.5%


どうやら、全く読まない人と本好きが2極化しているようです。


実家を離れ、一人暮らしをしている学生ほど、書籍代を削る傾向があります。
仕送とバイトでやりくりするには致し方がありません。


上記調査によると、勉学費と合わせた書籍費の平均は、4110円となり、支出の4%です。
これは教養娯楽費の半額以下です。
携帯などの電話代より少なかったです。



【生協でも本が売れない】


大学の生協で売れている本は、ドラマや映画化された本が多いです。
他には、実践的な就職・資格関係の参考書です。
4月〜10月に一番売れたのは、「陽だまりの彼女」です。
松本潤さんと上野樹里さんで映画化された恋愛小説です。
生協で一番売れたこの作品でも、半年で50冊ほどです。


スマートフォンが普及してから、生協での雑誌の立ち読みが減ったそうです。
生協だけではなく、本屋へ行く習慣もなくなりつつあるのかもしれません。


本離れを防ごうと、生協の一角を学内の読書サークルへ貸し出し、メンバーが薦める本を置いています。



【ビブリオバトルとは?】


学生の本離れは、他の大学も同じです。
同じ市内にあります新潟青陵大学の図書館では、定期的にイベントが行われています。
2年前から月に1回、「ビブリオバトル」を学生と一緒に開いています。


これは参加者がお薦めの本を持ち寄り、5分間で内容を紹介します。
参加者や観衆の投票でチャンピオンを決めます。
新潟青陵大学の図書館では、優勝した「チャンプ本」を図書館が購入します。
優勝者の書評を付けて書棚に並べており、貸し出しも好調です。


さらに今月3月には参加者による文芸部が発足。
先月末からは、本の魅力を伝えるフリーペーパーを図書館と共同で発行しています。


●知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト
http://www.bibliobattle.jp/


●ビブリオバトル - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%AB


ビブリオバトル(Bibliobattle)は、京都大学から広まった輪読会・読書会、または勉強会の形式で「知的書評合戦」とも呼ばれている。
2007年に京都大学情報学研究科共生システム論研究室の谷口忠大によって考案され、2008年に谷口が立命館大学助教となると、研究室の有志によって運営が続けられた。
その後、京都大学の総合人間学部や大阪大学など各地に広がっていった。
共生システム論研究室では開始当初よりyoutubeを用いた各発表の公開が行われている。

公式ルール
・参加者が読んで面白いと思った本を、順番に一人五分間で本を紹介する。
・その後、参加者全員でその紹介に関するディスカッションを行う。
・全ての紹介が終了した後、「どの本が一番読みたくなったか?」を基準に投票を行う。



※※※


最近、「お・も・て・な・し」効果によって、プレゼンテーションが注目されています。


●スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンライン
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/
(毎週月曜日 夜11時よりEテレにて放送中)


●TED Talks in Japanese | Translations | TED.com
http://www.ted.com/translate/languages/ja
(アメリカで年一回、大規模な世界的講演会を主催しているグループ。無料で動画配信しています。上記は日本語字幕があります)


自分の研究成果を発表するなんていうプロフェッショナルなプレゼンは、我々には出来ません。
けれど、自分が好きな本を5分間で語るならば、不可能ではありません。
その語り口から、その本に興味を持ってもらい、手にとってもらえたならば、みんなが笑顔になれます。


「本を読もう!」とアバウトに言うよりも、自分の好きな本を語ってみるほうが良いと思います。
このビブリオバトルはプレゼンテーション能力の向上にも役立ちますし、学生だけではなく、社会人にも広がるといいですね。


※※※


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Posted by kanzaki at 2013年11月23日 18:48