2014年06月08日

読書通帳とは?〜預金通帳のようなものに、借りた本の題名や日付が記録され、読書欲を向上させます

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学校の図書館や公立図書館で、「読書通帳」の活用が広がっています。
預金通帳と見た目は同じです。
借りた本の題名や日付が記録されます。


読んだ本の数だけ通帳が埋まり、子供たちの読書欲を引き出します。
施設側は、集めたデータを用いて、偏りのない推薦図書の紹介などに役立てています。

(日経より)



借りたい本を選び、カウンターで貸し出し手続きを済ませます。
隣に設置してある専用プリンターへ読書通帳を挿入します。
銀行の預金通帳をATMに差し込むのと同じ感覚です。


プリンターは貸し出しを管理するパソコンと接続されてます。
借りた日付や題名が自動的に記帳される仕組みです。



2011年、東京都江戸川区立上一色中学校の図書館にも導入されました。
生徒からは、「本を読めば、通帳のページがどんどん埋まっていくので楽しい」と好評です。


教員は、得られたデータにより、生徒が借りる本に偏りがあることを知りました。
人気のジャンルは、推理小説だったのです。
そこで、推薦図書のリストに、さまざまな分野をバランスよく掲載しました。
その結果、哲学や歴史などの本を借りる生徒が出始めました。
1日あたりの平均貸出数も増えたそうです。



今年3月、岐阜県海津市立図書館でも導入されました。
現在、読書通帳の利用者数は440人。


「成長の貴重な記録になる」と、保護者が利用を申請するケースが多いそうです。


ここの読書通帳は、借りた本の値段や、過去に借りた本の合計金額も記入されます。
買った場合に、いくらかかるかが分かるので、金銭感覚が身につくことも期待されています。
保護者からも評価を得ています。



このように読書通帳は、子供の読書欲を引き出します。
しかし、図書データの管理やプリンターの整備に必要な費用は、総額約500万円になります。
厳しい財政状況の自治体には、導入が厳しいところです。



高松市立図書館では、手作りの読書通帳を考案しました。
ホームページに通帳の台紙を掲載しました。

●「どくしょつうちょう」をつくってみよう!!
https://library.city.takamatsu.kagawa.jp/html/130427206160273361/dokusyotuutyou.html


PDFファイルをダウンロードし、印刷して折りたたむと、題名や感想を30冊まで手書きできます。
記入欄が埋まると、特製シールがもらえる特典があります。
また、自筆で通帳に書き込むことで、本についての記憶が残るメリットがあります。


※※※


読書通帳の導入に感心した反面、費用がとてもかかることに驚きました。
これは確かに、導入へ積極的になりにくいですね。


市立図書館は特に、オンライン化が進んでおり、インターネット上にて本の予約などができます。
新潟市の図書館もそのようになっていて便利なのですが、自分が借りた本の履歴は閲覧できないのです。
オンライン上で、履歴をチェックできるようになると便利なのにね。
読書通帳ほどコストがかからないのならば、導入して欲しいものです。


公式サイトのQ&Aを読みますと、個人情報保護等プライバシーの関係から、貸出履歴は残していないそうです。
公共のサービスでは、いろいろと難しいのかなあ・・・。


※※※


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Posted by kanzaki at 2014年06月08日 18:52